眠れぬ夜
ビーチ 4
不動は僕を抱き寄せて、左手をこめかみ、耳から髪の毛を触り後頭部を支えてくれた。
「すまねぇ。2度とふざけた真似しねぇから、許してくれないか?」
僕は驚いて不動を見上げた。
ただふざけていただけなのに・・・こんなに真摯に謝ってくれるなんて。
僕は不動に微笑んでから、ゆっくりと顔を近付けて唇にキスをした。
フレンチキス。
確かこういう軽く触れ合うキスを、そう言うんだっけ。
唇を離すと不動は固まっていたけれど、しばらくしたら僕を優しい瞳で見つめてくれた。
「お前から・・・キスしてくれたの、2回目だな」
不動の言葉に突然不安になり恐る恐る聞いてみた。
「嫌、だった?」
「ハァ?嫌じゃねぇよ、寧ろヤバイ」
ヤバイ?
どういう意味で言ったのか分からずに、ひたすら不動の唇が動くのを待っていた。
「鷺ノ宮、お前可愛すぎる。マジで今すぐ押し倒したくなってきた。責任とれよ」
「え?責任って?アッ・・・///」
水着の中に不動の指が侵入してきて、僕のペニスをガッチリ掴んできた。
「ヤメ、て・・・こんなところでイヤだ。ッンン、ア、アァン」
なんか変な感じ。
冷たい海水が僕の下腹部を包んでいるのに、不動の掌が握っている部分だけが燃えるように熱くて、僕を高みに導いていく。
「いいな、その顔」
「アッ、アッ、アッ、アッ、アアァーーー!」
恥ずかしい!
羞恥で頭を上げられない。
海の中に僕の精液を吐き出してしまうなんて。
ふるふると身体が震えてくる。
「鷺ノ宮、感じたみたいだな。直ぐにイクなんて、こういうシチュエーション好きなのか?」
「バ、バカ!そんなことあるわけないだろ!不動が・・・」
「俺が?」
ニヤッと意地悪そうな顔で笑ってる。
あー!もうなんて男なんだろ、こんな海の中で射精を促すなんて。
怒りと恥ずかしさでそっぽを向くと、不動が耳打ちしてきた。
「今、挿れていいか?」
ボワッ!!
信じられない!
信じられない!
「黙ってるってのはOKなのか?」
声色がやけに楽しげに聞こえてくる。
「そんなわけないだろ!不動は変態だ!」
場所も考えずにHを求めてくる不動に僕は泣きそうになった。
やっぱり不動にとって、僕という存在はお手軽な性欲処理なんだろうか?
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