眠れぬ夜
ビーチ 2
アア!
どうしよう?
頬の弛みが止まらない。
不動の態度が言葉が嬉しくて、胸が一杯になっていく。
「ドキドキが治まらないよ、不動。」
しばらく放心状態で不動が歩き去った方を見ていたけれど、我にかえってから頬杖をついて海を眺めていた。
・・・恋する乙女ってこんな感じなのかな?
僕を気遣ってくれる不動を見ていたら、心も身体も充たされて、自分という存在が愛しく思えてくる。
男なのに・・・って、そんな常識的な考え方なんて気にしていられないぐらいに、不動のことがどんどん好きになっていって。
話せば話すほど、キスをすればキスをするほどに・・・。
「好きでいて良いんだよね。」
「何が良いんだ?」
ドキッ!!
吃驚し過ぎて口から心臓が飛び出るかと思った。
慌て振り向くと不動が帰ってきていて、僕の顔を見つめていた。
「どうした?顔が真っ赤だぞ。」
楽しそうに笑う不動にますます照れてしまった僕は、頬に両手をおいてソッポを向いた。
あ〜!
恥ずかしい!
今の聞かれてないよね?
僕がパニクっていると、不動が僕の背中に触れてきた。
「鷺ノ宮、そのままじっとしてろよ。」
「え?」
「日焼け止め塗ってやる。」
不動は手慣れた手付きで、日焼け止めを僕の背中にまんべんなく塗ってくれ、そのまま首から胸に指が回ってきた。
胸に・・・?
それに気付いた時、既に乳首を摘ままれ弄られていた。
「あ、ふ、不動止めて!こんな所で・・・あっ!」
グリッと押し潰される。
「不動!」
僕は必死になって、不動の腕を掴んでから睨み付けた。
「ワリィ。つい・・・な!」
「つい?」
そのまま不動を睨み付けていると、不動は観念したように肩を竦めた。
「ワリィって。んなに睨むなよ、綺麗な顔が台無しだぜ。」
そう言いながら、僕のこめかみにキスしてきた。
ボオォッ!
な、な、何てことを!
公衆の面前でキスしてくるなんて!
「不動!誰かが見てたらどうするんだ?」
不動は悪びれた様子もなく。
「誰も見てねぇよ。もし見てたとしても別に構わねぇだろ。」
「構う!」
「何で?」
何でって・・・。
そりゃあ、だって、そうだろう?
「鷺ノ宮、俺はお前とのこと、誰に見られたって良いんだ。お前のこと、本気だから。」
そんなストレートに言われたら。
今なら嬉しさで死ねるかも・・・///。
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