眠れぬ夜
愛する人 1
夢うつつの中・・・
心地良い布地に指を滑らせて、愛しい人の肌の温もりを探してみる。
ツーー・・・。
いつまで経っても辿り着かない・・・。
カーテンの隙間から眩しい光が射し込んできて、僕の瞳に柔らかく降り注ぐ。
「ん〜、朝?」
寝転んだままベッドの上で気持ち良く伸びをしながら、ふと・・・気付く。
隣に昨夜から朝方まで愛し合っていた、恋人がいないことに。
「紘平?」
呼び掛けてみるも返事がない。
どうしたのだろうかと気になってベッドから起き上がり、リビングに入ってみたが、やはり紘平は居ない。
「何処に行ったんだろう?」
ぼんやり時計の方を見てみると、針は11時40分を指していた。
「お昼だな。・・・ご飯でも作っておくか。」
キッチンに入って冷蔵庫を覗いていたら、玄関のドアが開く音が聞こえてきた。
「紘平?」
「玲!起きてたのか?おはよう。」
紘平は挨拶を交わすなり、キスをしてきた。
深くて甘い極上のキス。
「ンッ、ンーー。」
「フッ。寝顔も可愛いけど、やっぱキスん時の顔のが最高だよな。」
「紘平!昼間っからそういうこと言うな・・・///。」
「何で?好きな奴に可愛いっていうのは普通だろ。」
そ、それは・・・そうかも知れないけど。
臆面もなく言われると、嬉しい反面恥ずかしくなるんだよ、バカ。
「玲、お昼にしようぜ。」
紘平が腕に抱えていた荷物をテーブルに下ろし、袋の中の物を取り出し始めた。
「パン?紘平、買ってきてくれたの?」
「アア。最近焼きたてのパン屋が近くに出来たんだ。通る度に旨そうな匂いがしてたから、お前と一緒に食べたいって思ってたんだ。」
「紘平・・・。」
僕と一緒に?
紘平がそう思ってくれてるなんて・・・嬉しい。
僕は紘平の首に腕を回して、キスをした。
すると紘平がフフンと鼻で笑い。
「玲、もっとちゃんとキスしろよ。」
ム!
これでもちゃんとしてるのに。
紘平にバカにされたのが悔しくて、ネットリと舌を絡ませる。
「ン〜!ハァ、ハァ、アッ、ン・・・。」
気持ち良い。
紘平の熱い口内に僕は蕩けて行った。
途中で僕の方から仕掛けたキスなのに、意図も容易く紘平に主導権を奪われてしまったけれど。
「ハァ、ハァ・・・ンッ、チュッ。」
「ハッ、エロい顔だな・・・我慢できねぇ、挿れるぞ、玲。」
「うん。」
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