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眠れぬ夜
保健室 4


カーテンを開けてからベッドを離れ、近くにある椅子に座り、タバコをくわえた。すると扉の開ける音が聞こえた。



保険医の前田だ。奴は俺を見てビクッとしたが、それでも一応先生らしく振る舞おうと思ったらしい。



「やぁ、何処か具合が悪いのか?」



「・・・」



俺は無視した。
奴は真っ青になったが頑張った。



「こ、此処に鷺ノ宮が来なかったか?」



俺は無視しようとしたが、少し気になって返事をした。



「いや。」



「そうかぁ。」



奴は考えこんだが直ぐ納得した。



「具合が悪いって言ってたから早退して帰ったのかもな。じゃ、不動お前も早く帰れよ。」



奴はそう言うと出ていった。



俺はカーテンを開け、鷺ノ宮の寝ている傍に行った。こいつの額に手を当てると、かなりの熱があった。



それで保健室に来たのか。



俺は、行為の余韻をそのままに残して寝ている鷺ノ宮の身体を見て顔をしかめた。



手荒く抱いたから、こいつの柔らかい身体には赤くうっ血した後がかなりあった。



俺は保健室にあったタオルで鷺ノ宮の身体を綺麗に拭いてやった。



いつも犯るだけ犯ってこいつを放置して帰ってたので初めて後始末をした。



鷺ノ宮はいつも自分でしてるんだな。俺は不意に眉をひそめた。



額にまた手を当てる。そして頬、唇と撫でていった。



「やわれけぇな。」



鷺ノ宮を抱きはしたが、顔を触ったりキスをしたことはなかった。



ただの性欲処理の相手だから、優しくするつもりなんてねぇし、ましてや男だ。



穴の締まりが思った以上に俺好みだったから抱いただけで、それ以外に何の感情も無い。



だが・・・。



俺はこいつにキスをした。



「やわれけぇ。」



唇を離すと俺は保健室を出ていった。



 * * * *



暫くしてから目が醒めた。



此処は? 天井が真っ白だ。



身体を起こそうとすると激痛が走った。



「うっ!」



自分の体を抱き締めて先程自分に起こった事を思い出した。



「ううぅ。うっ、うっ。」



僕は泣いた。涙が止まらない。



またあいつに抱かれたんだ。その事実が僕を打ちのめす。



ひとしきり泣くと、自分の体が綺麗に後始末されていることに気付いた。



行為の後はいつも、放っておくのに。何故今日は・・・。



そんな事を考えたのが、眠れない夜の始まりだった。






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あきゅろす。
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