[携帯モード] [URL送信]

眠れぬ夜
親友 1


不動の目が、態度が、以前と違う。



ような気がする。



いつも真正面から僕を見てる。



僕はその視線から目を反らせない。



ここの所、不動は僕に手を出さなくなっていた。



抱かなくなったということだ。



なぜだか解らないけど。



その代わり抱き締められる事が多くなった。



下校もほとんど毎日送ってくれている。



何でだろう?



不動が不動じゃないみたいだ。



あの激しく僕を犯していた不動は何処に行ったんだろう?



あの熱くて高揚する感覚が堪らなく・・・。



はっ。



僕は何を考えているんだろう。



イヤらしい・・・よね。



でも、何だか寂しい。



不動に触られたいって思うのはイケナイこと?



キス・・・したい。



あの溶けるような、不動の熱いキスを味わいたい。



不動は一体何を考えているんだろう?



僕が机に突っ伏していると、神谷が顔を覗き込んできた。



「鷺ノ宮、しんどいのか?」



「いや、考え事してただけ。」



僕は顔を横に向け、神谷を見た。



「フーン。」



何だか神谷は、いつもの明るい神谷じゃなくて、心配事でもあるような生気のない顔をしていた。



「神谷こそ、悩み事でもあるのか?らしくないじゃないか。」



「んー。悩み事っつうか。ダチが悩んでるかもしれないから聞いた方がいいのか悩んでる。」



僕は顔を上げて神谷を見る。

友達付き合いの良い神谷だから、きっと深く心配してるんだ。



「神谷はその友達を大事に思ってるんだな。」



「あぁ。親友だからな。」



僕は神谷の優しさに頬が緩んで、話しを聴くことにした。



「友達が悩んでるかもって、どうして思ったんだ?」



「元気がないし、遠くを見ることが多いし、それに・・・。」



「それに?」



神谷は呼吸を整えようとして、深く息を吐いた。



「見たんだ。」



「見たって?何を?」



「・・・素行の悪い奴と一緒に歩いている所。」



僕は息が止まった。

神谷の心配してる友達って、



・・・僕、なのか?



いつ、不動と歩いている所を見られたんだろう?






[*前へ][次へ#]

15/32ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!