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眠れぬ夜
雷雨 1


午後になり雨脚が強くなってきた。



僕の心にも冷たい雨が降り注ぐ。



どうしようもなく、焦燥感が押し寄せて来て、不動のことが頭から離れない。



なんで。



好きになったんだろう?



最初の出会いは、不動に無理矢理体を開かされ、レイプされた時。



入学してから不動の噂は絶えることはなかったけど、あの日まではすれ違うことすらなかった。



考えてみれば、どうして不動は僕を抱こうなんて思ったんだろう?



あの時、不動は僕と目が合うなり眉間に皺を寄せ、鳩尾を殴ってきた。



僕は気絶して、気が付いた時には不動が僕の上に覆い被さっていた。



突き刺すような射ぬくような険しい目付きをして、僕の心を凍らせた。



そして僕の制服を乱暴に引き剥がし、僕の後穴に不動のペニスがメリメリと抉じ開け一気に押し入ってきた。



あの瞬間の恐怖を今も覚えている。



痛みと男に犯されている恥辱に苛まれ、ずっと泣き叫んでいた。



でも不動は、僕が喚いても肉が裂けて血が出てきても、お構い無しに、グッグッと熱い凶器の挿入を繰り返していた。



暴力的な行為が終わると僕は放心していたが、不動は身仕度を整えてさっさと帰って行った。



残された僕は悔しくて情けなくて、1人残された空き教室で泣いていた。



不動にとって僕はどんな存在なんだろう。



ただの性欲を満たす為だけの人形?



溜め息が溢れた。



時計を見ると、そろそろ授業が終わる頃だった。



今日は図書室に本を返しに行く日だったので、HRが終わったら行かなくては。



チャイムが鳴り、授業が終わった。

HRも終わって、すぐに神谷が挨拶してきた。



「鷺ノ宮、今日は勉強ばっかしてないで早く寝ろよ!じゃ、俺は部活があるから先にいくぜ!」



相変わらず素早い。

流石サッカー部のエース。



僕は思わず笑みが零れ、機嫌が良くなって図書室に向かった。



部屋に入ると本の匂いが満ちていて、落ち着いた気分になる。



しばらく、次に読む本を探していたら、後ろから女の子に声をかけられた。



振り向いて見ると、



とても綺麗な、



不動の彼女だった。






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あきゅろす。
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