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眠れぬ夜
降り始め 1


窓の外を見ると、今日も雨が降り続いていた。



もうすぐ7月に入るというのに、1週間以上降り止まない。



授業中、外を眺めていたら不動が登校して来るのが見えた。



大きな黒い傘をさして・・・。



隣に女の子がいる。



僕は憂鬱になっていった。



「・・みや、鷺ノ宮?」



友人の神谷が僕を呼んでいた。
それに気付いて僕は返事をした。



「神谷、何か用か?」


神谷は僕の顔を観察してから、心配そうに言ってきた。



「鷺ノ宮、最近悩み事とかあるのか?顔色が良くない日が多い。」



僕は神谷に心配をかけていたのか。
気付かなかった。



「何でもないよ。もうすぐ期末テストだから、毎日徹夜なんだ。点数が悪いと、転校させられちゃうから必死なんだよ。心配かけて悪いな。」



神谷は納得行かないような面持ちだったが、僕の言葉を信じてくれたようだった。



「だったらいいけど。何かあったら俺に言えよ。相談に乗るからな!」



僕は神谷の言葉に嬉しくなって、笑顔で頷いた。



「鷺ノ宮、今日は弁当か?」



「いや、今日は購買に買いに行く。」



「だったら先に行って買っといてやるよ。金曜日はチーズこってりパンの日だから競争が激しいけど、負ける気はしねぇ!」



僕は笑い出した。
神谷は食べる事に関しては人一倍貪欲だ。
好きな食べ物が購買に出る日は必ずダッシュで買いに行く。
そして必ずゲットするんだ。



僕にはとても出来ないから、神谷に買ってきて貰う事が多かった。



「じゃあ頼むよ。」



「よっしやぁ、任せとけ。必ずやゲットしてみせるぜ!」





午前の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、即座に神谷が教室を出ていった。



僕も後から着いていく。
途中、飲み物を買おうとして、自動販売機に向かった。



神谷が好きなのは・・・。



あった。



ちゅるちゅるゼリーソーダ。



名前の通り、ソーダがゼリー状になった飲み物だ。



これは飲みにくいので僕は苦手。



僕は購買の隣にある食堂で座席を取ろうとした。



空いている席を見付けると、そこに座って神谷を待った。



神谷が食堂の入口に来たので手を振って呼んでいたら、神谷の後ろから不動が女の子と腕を組んで食堂に入って来た。



不動は一度僕を見たが直ぐに視線を反らした。






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あきゅろす。
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