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眠れぬ夜
教室 2


僕は天宮の頭を退かそうと手で押し返したがビクともしなかった。



ああ、嫌だ!



天宮は僕の乳首を何度もつねったり押し潰したりした。



「いたい、痛い、離して!」



天宮は顔を上げて僕を見た。



「嘘つけぇ、ビンビンに立ってるじゃねぇか!ホレ。」



天宮は僕の乳首を引っ掻いた。



「うううっ!いたっい!」



天宮は気を良くしたのか、乳首を執拗に責めた。
そして今度は下腹部を触り出した。



もう嫌だ!本当に吐きそうだ。



だれか、誰か助けて!



不動・・・助けて、よ。僕を助けて!



ガシャッ!
暗い教室に一瞬、閃光が差した。



天宮はビクッとして、顔を上げた。



僕もつられて音がした方向を見た。その先には・・・不動が居た。



まさか、本当に?
不動、なのか?



僕は信じられない思いで不動を見た。



「先生、生徒に覆い被さってナニしてんですか?」



天宮は不動の出現に、顔を真っ青にした。
きっと天宮も不動の素行を知っているんだ。



いくら新任でも、その手の話しは即座に耳にする。



ガッ!



教室中に響いた。
不動が机を蹴ったのだ。



天宮は少し震えていた。
ガタイが良い天宮でも不動には恐怖を感じるんだろうか?



「ふ、不動、お前こそ、何でこんな時間に学校にいるんだ?とっくに下校時間は過ぎてるぞ。早く帰れ。」



「・・・」



不動は何も答えない。それが余計に恐怖を煽った。
天宮は僕から離れて、教室から出ようとした。



「先生、俺のモンに手ぇ出して、タダで帰ろうなんて考え、してんじゃねぇだろうな?」



天宮はひきつった顔をした。



「な、なんの話だ?」


言いながらドアの近くへと下がっていく。



不動は獲物を逃がそうとはしなかった。
一気に天宮との間合いを詰め、殴り倒した。それからは一方的に殴る蹴るの繰り返し。
僕は不動を止めようとして、後ろから抱きついた。



「不動、もう止めて!これ以上は、もう・・・」



いくら最低な天宮でも死んでしまう。



不動は動きを止めてから僕を見て、心の臓が停まるような事を言った。



「てめぇが、誘ったんじゃねぇだろうな!」





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