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えぃ!
兄弟 3


はぁ?
何言ってんだ、こいつは。

真彦の話した意味が全く理解できなかったオレは、扉から出て行こうとする真彦の背中に向かって問いかけた。



「なにわけ分かんないこと言ってんだよ?身持ちが固いとかってなんなんだ?」



振り返ってオレを見る真彦は、信じられないと言った風に眉を上げて口をへの字にさせていた。



「あー?マジでわかんねぇの?勝彦ってホント、ガキだよな」



呆れたように言われたオレは、ムカッときて真彦にもう一度枕を投げ付けた。



「アニキに向かってガキとはなんだ、ガキとは!弟のくせして生意気なんだよ!」



ヒョイっと枕を避けた真彦は、無表情な顔してオレを見ながらベッドに戻ってくると、オレの両腕を取って押し倒してきた。



「ワッ、何すんだよ?痛いだろ、放せ馬鹿力!それに重いんだよ、ドケったら!乗っかってくんな、バカ!」



身長も体重も、高校生になったオレより上な真彦を必死に退かそうと喚いてみたが、真彦は全然放そうとはしてくれない。



ん〜、ムカつく〜!

デカイだけでも嫌なのに、力でも負けるなんて。

それに大体なんでこいつみたいな捻くれたイケメンが、よりによってオレの弟なんだろう?

全く似てない真彦を睨んで、態度だけはデカくして兄貴の威厳を保とうとしたけど、奴には効かなかった。



それどころか腕と足に力を入れて、オレに身動き取れないようにしてきた。



「真彦!離せったら離せ。腕が痛い」



「フン、弱ぇな兄貴は。押し倒そうと思ったら直ぐに押し倒せるのに、桜の奴なんでやせ我慢してんのか理解できねぇぜ」



「な、なにをだよ?」



桜がやせ我慢してるって?

あいつがなにを我慢してるのか、全然見当もつかないオレは真彦を凝視した。



「だったら教えてやるけど、いつまでもバージン守ってると桜のやつ、お前に飽きてどっか行っちゃうって言ってんだよ。それでなくても誘ってくる奴等がわんさかいるんだ。勝彦みたいな平凡で色気がなくて頑固な奴には、桜だってすぐに飽きちまうに決まってんだろ」



真彦の話した内容が少しのあいだ理解出来ずに混乱した。

けど、だんだんまとまってくると、ある一言が気になって冷や汗が出てきた。



「ば、バージン?・・・バージン!?バージンだって?」

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