えぃ! 俺 1 いつから好きになったんだろう? いつも隣にいて、喋って笑ってケンカして。お互いのことを自分よりも理解してる。 「・・・ッイ」 ふと呼ばれてるような気がして顔を上げるといきなり頭を怒突かれた。 「うっ。えーん。いてぇよぉ。かっちゃんー。」 目に涙を貯めながら上目使いに愛しい幼なじみを見る。 すると、もう一発殴られた。 「ひっどいよぉー。頭を殴るなんてぇ。超天才児の僕がおバカになったら、どうするんだよぉー。」 愛しい幼なじみのかっちゃんは、そんな俺を苦虫を噛み潰したような目でみるとこう言った。 「アホ桜、お前に会いてぇって女がきてんぞ。」 そう言われて廊下を見ると、可愛い女の子が顔を真っ赤にさせながら俺を見つめていた。 心の中でハァと溜め息をついた。 また告白か。 今年から高校生になった俺は、自分でいうのもなんだが、超イケメンだ。同級生は元より上級生にも魅力があるらしい。 だから必然とレベルの高い女の子が俺に告りにくる。 だけど俺にとってはどうでもいいことだ。だってそうだろう?俺には生まれた時から傍にいる幼なじみ、相楽勝彦がいる。 通称、かっちゃん。可愛い俺の思い人。 チラリとかっちゃんの方を見ると、数人のクラスメートと談笑してる。 はぁ。全く俺が女の子に告られるっていうのに危機感とかないのか?そりゃあ俺の一方通行だけどさ。 なんかムカつく。 「一条君。」 遠慮がちに声を掛けてくる女の子を見て、仕方無く歩みよる。 [次へ#] [戻る] |