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Dream Novel
お勉強


懐「ぁ、もう来てる、待たせてごめんな?」
ビル「最後の授業休講で早く着き過ぎちゃったんだ。気にしないで」
カイル「ていうか、カイも待ち合わせの時間より大分早いよ?」
懐「可愛い後輩待たせておけないと思うだろ?普通は。」
ビル&カイル「……(普通…そうかなぁ…?)」
懐「よし、じゃぁ揃ったところで始めよっか。」
ビル「ぁ、俺魔法薬学苦手で…」
カイル「俺は闇の魔術に対する防衛学」
懐「よぉし、それなら多分ちゃんと教えられる。今の時期だと、1年生の魔法薬学は眠り薬辺り?」
ビル「うん、そう!スラグホーン先生のテンション高くて肝心の授業がいまいちよく解んないんだ…」
懐「ぁー…でも、ビルもカイルも気に入られてるだろ?」
カイル「ぇ…気に入られるってあの訳の分かんない集会に呼ばれること?」
懐「はは…っ、訳の分かんない…か。まぁそうだわな。あまり趣味が良いとも言えないし。」
ビル「行くには行ったんだけど…なんか変なとこだったよ。」
カイル「スリザリンの奴らが先生の親衛隊みたいに付いて回ってんの見るとぞっとした」
懐「あっはは、だろうな。まぁ、スラグホーンはスリザリン出身の教師としては破格というくらいに寮差別しない良い先生なんだが、あの自己顕示欲のためにあるような集会を催すなんていう趣味の悪さは他のスリザリン出身教師を上回るな。」
ビル「…確かにスリザリンの生徒とは雰囲気違ってるよね。」
カイル「あとあれだよな、なんか勢いで進めてる感じが…」
懐「ぁあ―言えてる!!」(くくくっ)
ビル「教科書に載ってないことも結構言われるから何処までやればいいかよくわかんなくて」
カイル「ぁー分かる!テストとか出たら嫌だよなぁ」
懐「んー。何回か繰り返して言ってる事は出るかもなぁ。…ぁ、セブだ」
ビル「…?セブ?」
カイル「セブ…って、もしかしてセブルス=スネイプ?!」
懐「うん、カイルは知ってんのかぁ、ほら、アレ」
ビル「……?あの人スリザリンじゃ…?」
懐「あぁ、うん、そうだよ?」
カイル「なっっなんでカイがあんな奴と仲良いんだよ?!」
ビル「カイル?!」
懐「あんな奴って…」(苦笑)
カイル「…ぁ、ご、ごめんなさい…。で、でもさ!!アイツ死喰い人に1番近い学生って言われてる人じゃないか!!」
懐「ぉー、カイルは情報通だなぁ…ルディの影響かな?」
カイル「た、確かに兄貴から聞いたんだけど!でも、色んなとこで言われてるんだろ?」
懐「んー、まぁね。あぁ、俺自身はそこまで仲良くないよ。ていうか、あっちが俺の事毛嫌いしてるしね。…ほら、こっちめっちゃ睨んでるし(笑)」
ビル「…ホントだ…(怖…っっ)」
カイル「じゃぁどうして…!?」
懐「ぁー、俺の親友がね、スリザリンでセブと仲良いんだよ。…ほら、来た、あの女の子」

月「あら?懐、可愛い子連れて…浮気中?ブラックが怒るわよ?」
懐「ははっ、可愛かろぉ!後輩のビル=ウィーズリー君にカイル=ニルソン君。ビル、カイル、此方はユエ=リ嬢。俺の親友な。」
月「ビルにカイルね?ユエよ。よろしくね」
ビル「初めまして、Mss.リ」
カイル「どうも」
月「ぁ、そういえば、懐。お爺様が早く手紙の返事寄越せって」
懐「ぅゎ、面倒事忘れてた…」
月「面倒って…アンタのこれからに関わってくんだからね?」
懐「お嬢様から爺様に言っといてくれよ。問題児は英国に残りますって」
月「自分で言いなさい!そんなこと!」
懐「っけ、面倒臭ぇ」
月「ちゃんとしてよ?…じゃ。…ビル、カイル、お邪魔してごめんなさいね?」
ビル「ぃ、いいえ!」
懐「ぁー、そだ。セブに一々眼くれんなって言っとけ」
月「私の言うこときくかしら。…ジェームズ達への恨み、まんまアンタへの態度にに表れてるみたいよ?」
懐「………………じゃぁ、仕方がねぇな」
ビル&カイル「…?!(仕方がないの?!)」
月「ま、アンタがそう言ってたとだけ伝えとくわ」
懐「はは、頼むぜ、親友」
月「じゃぁね」

ビル&カイル「………」(ぽかーん)
懐「…あれがスリザリンの女帝って言われる俺の親友。結構いい性格だろ?」(にぃ)
ビル「…ス、スリザリンっぽくない…ね」
カイル「…うん」
懐「…?そうか?アイツほどスリザリン臭い人間っていないと思うぞ?」
カイル「だ、だって!グリフィンドールの俺達に、普通に話しかけて…カイと友人って言うだけでおかしいのに!」
懐「…ぅーん…スリザリンってものを、どうも君達は勘違いしてるみたいだな。
ビル、カイル。スリザリンの性格って言うのは、『純血主義』じゃぁない。」
ビル&カイル「「……え?」」
懐「本来のスリザリンの素質ってのは血なんかじゃなく、その性格によるもんだ。
…グリフィンドールに勇猛果敢な者が集まると称されるのと同じに、スリザリンには狡猾な者が集まる。狡猾なんて言うと聞こえ方が悪いが、いつも沈着冷静で、物事を客観的に考えられる…そんな尊敬すべき性格だよ。
だからスリザリンに入ったなら、掛け値なしの親友を得ることも可能だろうって言われてる。それもそうだよ。冷静な目で、落ち着いて、互いの悪いところも良いところも評価し合える、最高の友人がこの寮でなら得られるんだから。
…なぁ、2人共?これは、ホグワーツで7年間過ごすにあたって、勉強なんかよりずっと大事になることだ。しかも、今、この時代なら尚更。寮だけで純血主義だとか、そうでないとか、闇の陣営だとか、対抗者だとか、そんな浅慮な判断はしない方がいいよ」
カイル「……ごめんなさい」
ビル「分かったよ、カイ」
懐「謝るこたぁねぇよ、カイル。ビルも分かってくれたなら嬉しい。…俺はなんとも説教臭くなっていかんね」
カイル「あのさ、カイ。1つ訊いていい?」
懐「ぉう、何?」
カイル「今、カイ以外の上級生達はさ、兄貴も、あと、多分ポッター先輩や、ブラック先輩も、他の寮の人たちだって、スリザリンは闇側の人間の養成所だって、そう、考えてるよね?」
懐「…カイルは頭がいいんだなぁ。…うん。そうだよ。ジェムは、俺つながりで交流があるからユエに限っては誤解してないけど、基本的にスリザリン=悪みたいな考え方してるし、シルはガチでそう。
そういうのが、俺の思うグリフィンドールの欠点かな。自分側からしかものを考えられない。勇敢だけれど、猪突猛進で冷静さを知らない。グリフィンドールは素晴らしい寮だと思うよ?ただ、人にはスリザリンが持つような冷静さも確実に必要だと、俺は思う。
ゴドリックとサラザールが親友だったって言うのは、2人がお互いの至らないところを補い合ってたからなんだろうね。」
ビル「ゴドリック…にサラザール…ってグリフィンドールとスリザリンの創始者?!」
カイル「親友だった…ってそれマジな話なの?!」
懐「ぉー多分マジだと思うよ?組分け帽から聞いたから」
ビル&カイル「「ぇぇえぇぇええっっ?!」」
懐「ちょ、ちょっと、静かに!!マダムピンスにどやされる!」
ビル「…ご、ご、ごめん…っっ」
カイル「…ぇ…ぇえ…?グリフィンドールとスリザリンが仲良かったなんて…」(微妙にショック)
懐「機会あったら組分け帽に訊いてみな。結構面白いぞ、あの人たちの話」
ビル&カイル「「…(多分ないだろうなぁ…その機会)…」」
ビル「…ぁの、カイがMss.リと仲良いのもそう言うのがあってなの?」
懐「んー…俺らはね、ちょっと違うかな」
カイル「…?そうなの?」
懐「…ビルとカイルはどう思う…?」
ビル「……えぇっと、怒らないで聞いてくれる?」
懐「訊いといて怒るもんか。言ってみな」
ビル「今の話聞いてて、俺、カイってカイの言うスリザリンっぽいなって思ったんだ…」
カイル「おいっっ?!ビル?!」
ビル「いや、あのね?!勿論、カイは勇敢だし、かっこいいし、グリフィンドール生の鑑みたいだって、本当にそう思うけど…カイには、さっき言ってた冷静さとか、そういうのもしっかりあるんだ。カイがグリフィンドールの性格として上げてた猪突猛進の性格よりも」
懐「はは、凄い褒め殺しだな。まぁ、前半のグリフィンドール生の鑑云々は置いといて、後半は当たり、かな。
…俺はね、多分、この学校の生徒の誰よりも、狡猾だと、自分で思っているよ?」(にやり)
カイル「…ぇえ?!カイまで何言うのさ?!」
懐「そして、ユエは、あれでなかなかどうして勇敢な熱血少女なんだぜ?」
ビル「そ、そうなんだ…」
懐「結局組分けなんて適当なもんでさ、最終的には自分の希望したとこに決まっちまうんだから。」
ビル「そっ…っそうだったの?!」
懐「ビルは多分、アーサーから、カイルはルディから、グリフィンドールがいいって常々聞かされてたんだろ?
…そしたら無意識だろうが意識してだろうが、やっぱり『グリフィンドールがいい』って思ってたんだろうよ。
…性格とかがホントに関わってくるのなんて、アレだ、全く何も知らない子だけ。しかも、その子のその時の性格よりも、その子がどうありたいかと望んでいるものによってだろうね。」
カイル「…そうだったのか…」
懐「話戻すと、俺とユエはそれこそこの学校に入る前からの友人だけど、それは多分お互いがそこそこ似てて、そしてそこそこ違ってて、一緒にいて楽だからってそんな理由なんだろうね。2人共、グリフィンドールとスリザリンの性質の両方をもってるって、そこは間違いないよ」
ビル「そうなんだ…」
懐「…っと、いけね、学外授業はこれにて終了!!さ、普通の勉強始めよう」
ビル&カイル「OK!」
 
2時間後

懐「…ぉ、もうそろそろ夕食か。今日はこれくらいにしとこうかな」
カイル「…俺…ちょっと闇に対する防衛術開けた気がする…」
ビル「俺も…魔法薬学って結構面白い…」
懐「そりゃよかった」(にこにこ)
ビル&カイル「「!!」」
懐「じゃぁちょっと俺借りてた本返してくるな」
ビル「ぁ、じゃぁ俺達、コレ片づけて待ってるね!」
懐「はは、アレだったら先に大広間行ってていいぞ」(本棚の方へ歩いて行き)
カイル「……」
ビル「……」
カイル「…なぁ、ビル」
ビル「…ん?どうしたの?」
カイル「カイはさ、自分で『狡猾だ』なんて言ってたけど、俺、あんな屈託ない笑い方する人が、狡猾だなんて…」
ビル「うん、俺も思えない。…だからこそ、カイはグリフィンドールなんじゃないかな?」
カイル「……そーゆー事か」
ビル「うん、多分ね。そーゆー事だよ」


懐「たっだいま!ぁ、行こうか。美味し糧を頂きに!」
ビル&カイル「「OK!カイ!」」



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カイ先生の課外授業編。
実は自分ではあまりグリフィンドール臭くないと思っている豹嬢。
…でも、自分で思ってるほどいつも冷静なわけじゃないっていう。だからこそのグリフィンドール生です(笑)





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