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好きです、すきすき

「ゆうっ、たん、!」
「ちづ、る…」

息を切らせて、俺参上!…って、言ってる場合じゃない。
いなくなったゆうたんを探して30分くらい。ようやく

「…っ、みつけたっ」
「ちづ…っ、…苦しい」

力いっぱい、抱きしめる。ゆうたんの骨が折れてしまうんじゃないかとか、思うくらいに。


だって、すっごく心配した!
どこにいったんだろう、
嫌われてしまったのか、
事故にでもあっていないだろうか。

マイナスに考えれば浮かぶ内容は尽きなくて。
心配で、心配で。

なにより、30分も離れていたことがもどかしい。


「ゆうたん、」
「ちづる…」
「ゆうたん、ゆうたん」

「はな、して…」

ふいに、俺とゆうたんの間につっかえ棒。…じゃなくて、ゆうたんの、腕。
こめられている力は、それなりで、"どうして?"…それだけが頭をよぎる。
さらに、さっき次々に浮かんだマイナスの思考が帰ってくる。

「ゆうたん…?」
「はなして、よ」
「なんで、なんでそんなこと言うの?」
「なんで、って…俺たち、男同士、ですよ」
「…っ!今更っ、なんで…っ」
「だって、さっき、」

そこまで言ってゆうたんは何も言わなくなった。ただ、俺の腕の中で、うつむいて。


さっき、さっき…30分前の記憶を探す、探す。


……あ。記憶にもさして留まってないほどの、出来事。もしかして




30分と、ちょっと前。一人の女の子に話しかけられた。


『ねぇ、橘くんって、浅羽くんと仲いいよね!』
『浅羽くん…って、どっちの?』
『え?あぁ!悠太くんの方!』

ゆっきーも仲良いか、と思いつつ、イライライラ…っ!
残念でした!ゆうたんは俺の彼女なんです!ムキーッ!!
なんて。でも、そんな事言えない、し 女の子は無下には扱えません!

『仲良いよっ』
『いいなぁ…悠太くんってどんな子がタイプなの?』

デジャヴ。やっぱゆっきーとゆうたんはモテるなぁ…
羨ましいような、ゆうたんがいるからそうでもないような、…複雑。

『君なんて可愛いからきっとタイプだよ!』
『きゃーっvほんとっ?』

いつもの受け答えを返すと、彼女は嬉しそうに友達の元に駆けていった。



――…なんてことがありましたが。

「…見てました?」
「…見てました」

やっぱり。
そんなことで、悩んじゃう、とか。

「ゆうたん…かわいー…!」
「…怒りますよ」
「ひぃっごめんなさいっ」

「……なんなの?」
「なんなの…って、あ!えっと、」

事のあらましをゆうたんに話して、ゆうたんをも一度抱きしめる。
だいすきが余りなく彼に届きますように。
ふと気づく、こんどはちゃんと抱きしめ返してくれるゆうたんが可愛くて可愛くて、愛しい…!!

「だから、どっちかっつーと、俺が怒る感じ?みたいな?」
「…ごめん」
「いやいやいや!違う!ゆうたん違うよっ」

「でも、さ。仲良さそうでしたね」
「そんなことない!こうやって抱きしめたいと思うのもゆうたんだけだよ!」
「はぁ…そうやって何人の女の子をきたんでしょうね」
「やさぐれていらっしゃる――!」

「…俺、なんて、やわらかくもなんともない…ですし?」
「え?」
「女の子、好きでしょ…巨乳?」

ゆうたんは、そんなことを、心配して…?てゆかゆうたんの口から巨乳とかっ(え、エロい…っ!)
今まで想像したことすらなかったよ!
ゆうたんのばか!ばかばかばか!大好き!


「あー!もう!もうもうもう!」
「千鶴?」
「なんでそうマイナスに!もう!俺っちが好きなのはゆうたんだけだよもう!」

愛しくて、可愛くて、ちょっぴり憎らしくて、3度目の力いっぱいのハグ。
背中に回した手を自分の肩に回るぐらい、それはもう思いっきり!
ちなみに、自分だってマイナス思考だったなんて、異論は認めません!

「好きです、よっ」
「…俺も…です」
「あーもう…ゆうたん可愛すぎ…っ!」











涙がでました
…好きすぎて、泣きそうです




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あきゅろす。
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