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あなたの心以外の変化はいらない

「ゆうた、」

俺は、少しずつ好きを融かす。悠太にかける、言葉のひとつひとつに。
俺の中から少しでも、悠太に流れ、出ればいい。
でも決して、伝わって欲しくはない。悠太の心のどこかに俺の居場所が出来たなら、本望、だ。

「なに、かなめ」
「お前、祐希は?」
「あぁ、今千鶴たちとジュース買いに行った」
「そう、か」





「たーだーいーま!千鶴様がかなめっちの分も買ってきてやったぞ!感謝しやがれ!」
「あ、ちょっと、それ僕が!」
「おま、どう見ても今春が持ってきてただろ!」
「ゆうた、はい」
「ありがと」

いつもどおりの日常。俺が悠太を好きになる前から続いていて、好きになった今も、それは続く。
この距離感と、騒がしさが、心地よくて。
俺はきっと、悠太に一生思いを伝えられないんだろう、と思った。

「If this daily life fails……」
「? なんですか、かなめくん」
「いや、なんでもない」
「いふ でぃす でいりー?」
「あ゛ーもうなんでもねーっつの子ザル!」
「むっきー!なにさかっこつけちゃってー!」
「If this daily life collapses.」
「え、なに、悠太」
「んーん、なんでも」















怖くて堪らない
想いを拒まれることも、伝わることも、日常が変わってしまうのも、
(もう、何もかも、が)



想いあうだけでいい 他はなにも こころのそこからいらない


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