だから俺は一生世界を呪って生きて行こうと思うのです
「俺たちいけない子だよね」
情事を終えるごとに悠太はこう呟く。
きっと悠太は俺以上にこの関係に罪悪感を感じてる。
それを分かってて俺はこの呟きに返事を出来ない。
(大丈夫だよって言ってやればいいのだろうけど)
結局悪い事には変わりないのだから。
そんな気休め悠太も求めていないと思う。
……矛盾しているような気もするけど。
(いっそ世界が変わればいいのに)
俺たちが正しくなるように。
同性でも、肉親でも、愛がすべてなのだと。
認めてくれる世界になればいいのに。
そうすれば悠太は悩まないですむのに。
俺も悩まないですむのに。
(でもそう成らないって分かってるから)
(分かってるけど、この愛は溢れ出て止まらないから。)
だから俺は一生世界を呪って生きて行こうと思うのです
悪いのは世界。俺たちじゃない。
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