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距離なんてわからない。
6 from蓮
ある休日、一本の電話が鳴った。
その電話に起こされ、眠い目をこする。
思えばこれに出なければこんなめんどくさい事にはなっていないだろう。
しかし、そのときの蓮は電話を取ってしまった。
「もしもし」
『あ、もしもし?蓮、ひさしぶり』
それはゆみ、つまり蓮の母からだった。
「何?」
『あのね、私のいとこの子供が1人日本に残ることになったんだけど。私が一緒に住むつもりだったのに仕事が入って・・。』
「つまり、俺が一緒に住めと?」
『そーゆーこと!いいでしょ?』
「嫌だ。おれは休みは1人で過ごしたいんだ。」
『お願い!そんな騒ぐ年頃じゃないし、言うことちゃんと聞くいい子よ?
 1人にできないでしょ?女の子だし』

その言葉にさらに頭を抱える。


・・・女?
冗談じゃねーよ!!


「いいのかよ?手、出してもしらねーぞ?
 そいつの親も納得してんのかよ」
『ばかねえ、そんな年じゃないって言ってるでしょ?
 大丈夫!仕事終わったらすぐうちに来させるから』

最初は断っていたが、30分も説得され、ついに折れてしまった。
『ありがと!名前はまゆみちゃん。よろしくね』

そして、用が終わるとすぐに電話を切った母。
ため息をつきながらケータイを閉じる。

「まゆみ・・まゆみねぇ」

めんどくさくなり、布団に潜ってもう一度寝た。

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あきゅろす。
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