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距離なんてわからない。
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「ここかぁ・・・」
わたし、小宮まゆみはとてつもなく大きいお家を見上げている。
白くて高い塀があり、おしゃれな門はしっかりと鍵がされている。


こーゆーのって、お金持ちみたい・・・。


門の横にしっかりと設備されているインターホンをゆっくり押す。
「ピンポーン」と鳴り響いた後に機械の声で
『呼び出しております。しばらくお待ちください』
というお知らせがなった。
びっくりして思わず「は、はいっ!」と返事してしまった。
2回目のお知らせが言い終わる前に誰かがしゃべった。
『はい、平沢です』


わ・・・優しそうな声!
若い男の人・・・?
って、何か言わないと!!


「あっあの!今日からお世話になる小宮です!」
インターホンのカメラに向かってにこっと笑う。

『入って』

声がするとカチッと音がして門が少し動いた。


す・・すごい! 機能的だな・・。


感心していると、少しいらだった声で
『何してる。早くしないと門を閉めるぞ』
と言われた。

慌てて門を開けて中に入ると、門はまたカチッと音がして完全に閉まっていた。
門から続く石の道をまっすぐ行くとまたも大きいドアがあった。
そしてドアの横にはまたインターホン。
押すとさっきと同じ声。
『待ってろ』

言われた通りその場で待ってるまゆみ。
まゆみは少しはずれたところもあり、この話す男はいい人だと思っていた。
だが、命令口調で話している男を信じていい訳がない。
しかし、今までその天然ぶりを発揮し、告白されても気づかずに過ごしてきた。
当然、返事もくれないほど嫌いだと勘違いするので今まで男に対しての免疫がない。

カチャッ

ドアが開く音がして、顔を上げる。

「あのっ、私、小宮まゆみです!よろしくお願いします!」
顔を上げたそこには、へたな芸能人よりよっぽどかっこいい男が立っていた。


今日から過ごす・・私の家!





ここにくるまで、実はいろんな事があった。


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