距離なんてわからない。 3 結局、昨日は緊張してカレーがすごく辛くなったし、手が触れただけでどきっとして皿を割ったりした。 わたし・・最悪・・。 蓮君は気にしてないのに・・てゆーか深く考えてないのかな。 制服に腕を通して髪を二つに結ぶ。 いつものエプロンをして朝ご飯とお弁当作りに取りかかる。 お弁当・・そー言えば、蓮君いつもお弁当じゃないな・・。 よし、お礼にお弁当作ろう! キスはなかったことにして、お弁当箱を探す。 結果的に、本当にキスのことを忘れてお弁当を作り終わった。 「よし!起こしに行こう」 朝、蓮を起こすのもまゆみの仕事。 こんこんっ いつもはノックで起きるが今日は返事がない。 「蓮君?おはよう・・」 部屋に入るとまだベッドで寝ていた。 この家のベッドは大きく、蓮は真ん中で寝ているので手が届かなかった。 仕方なくベッドに上るまゆみ。 「蓮君!起きてっ朝ご飯できてるよ?」 軽くポンポンっと叩くと目がうっすらと開いた。 「あっおはよう。」 「・・・おはよ」 「ご飯できてるよ?はやく来てね」 ベッドから降りて部屋を出て行くまゆみ。 え・・?今何が起きた? セーラー服でエプロン来た美少女に見下ろされていた気がする。 まだ少し寝ぼけながらリビングに行くとやはり居た。 「蓮君、7時30分にはでたいの。大丈夫?」 「あぁ。わかった」 イスに座り朝食をとる蓮。 机の上にお弁当が二つあることんい気づいた。 「弁当?」 まゆみは思い出したように顔をあげた。 「うん!毎日送ってもらうからお弁当作ろうと思って」 目を丸くした蓮だがすぐ微笑んだ。 「・・ありがと」 蓮のやさしく微笑む顔。 まゆみはそれが好きだった。 支度が終わった蓮は、助手席にまゆみをのせ車を走らせた。 [*前へ] |