距離なんてわからない。 2 「れ・・蓮君っ!何するの・・?」 自分に覆い被さっている蓮の胸を軽くポンポン叩く。 「何って・・SEX?」 「せっ・・・!?」 その言葉を聞いたまゆみは顔が熱くなった。 うそ・・! 私、そんなの心の準備ができてない・・っ! 「じゃなくてっ蓮君!」 「何?」 「何じゃなくて・・ってどこ触ってるんですかぁ!」 胸に手を出していた蓮は叩かれそうになって体を起こした。 その反応に蓮は、思い当たりがあった。 こーゆー反応するってことは・・。 もしかして、まゆみって・・。 「処女なのか?」 「・・・!」 耳まで真っ赤になったまゆみを見て、やっぱりそーなんだ、と思った蓮。 「だ・・だって!こーゆーのって、本当に好きな人じゃないとだめだと思うの! だからっ・・そのっ・・」 必死に抵抗するまゆみを見て蓮も諦めた。 「冗談。・・と言いたいが、ちょっと残念だな」 その言葉を聞いて何故か胸がズキズキした。 「あの・・蓮君。」 「何だ?」 「その・・えっちはムリだけど・・キスならっ」 その言葉に蓮は目を丸くした。 まゆみも自分が言った言葉に驚いた。 「あっ・・嘘!ごめんっ、忘れて!」 何言ってるのよ、私! 蓮君は欲求不満を解消したかっただけなのに! 恥ずかしくなったまゆみは涙目になっていて、部屋をでていこうとしたが蓮に腕を掴まれた。 「!・・離してっ」 「して」 主語のない蓮のセリフ。 「え・・?」 思わず聞き返してしまうまゆみ。 「だから。送り迎えしてやる代わりに・・まゆみからキスして」 蓮をみつめるまゆみ。 本当は送り迎えしてもらえなくてもよかったが・・・。 なんだろ・・どきどきする・・。 すごく・・キスしたい・・。 まゆみはゆっくりと、蓮に・・・キスした。 たった一瞬で離れるフレンチキス。 そっと顔を上げると・・蓮の笑顔。 「へたくそ」 顔が真っ赤になるのが分かる。 「だって・・キスしたことないもん」 何故かシンとなる部屋。 変なこと言った? ど。。どーしよ・・。 「えっと・・・」 心臓の早さが尋常じゃない中、部屋から出る方法を考える。 そこに、蓮は助け船をだす。 「夕食、ハンバーグがいい」 「うんっ!」 部屋を出て行く前の蓮の笑顔はとても優しかった。 違う意味でどきどきしてくる。 胸がきゅーっとしまる感じがする。 まゆみが出て行った後、蓮はベッドに倒れ込んだ。 「何やってんだよ俺・・高校生に」 でも、まゆみからのキスは嬉しかった。 男として意識してくれている。 しかし・・。 『本当に好きな人じゃないとだめだと思うのっ』 少し傷ついていた蓮。 「いつか・・俺のモノにしてやる」 [*前へ][次へ#] |