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桜色4

それから街中で派手に乱闘になり、周りの人々の通報で警察が到着し、補導され厳重注意を受けて、その日は家に帰された。

次の日、休校中の学校に三人呼び出されて、担任から「警察から連絡があった。」と聞かされる。担任の話しを聞くと、問題を起こす生徒はうちの学校には必要ないらしく、退学しろという。

担任には「手は出してない」と反論したのだが「その顔の傷や、話を聞く限りじゃあ釈明のよちはない。」との一点張りで、流石に苛々した。
校長に連絡をして「退学の処置」を施すから、二学期からは学校に来なくていいと言い放たれた。
言われっぱなしでは気が済むはずもなく、担任に向かって反論の言葉を重ねたが、聞き流され、さっさと帰れ。と言われた。

すると間髪入れず、ドタドタと走る音がして、ガラッと扉が開く。

扉が開いた方向に視線を向けると、息を切らせた副担任の姿が入った。
眉間に皺がより深く入っていて、不機嫌極まりない顔をしている。
小十郎も、警察の連絡を受け直ぐに学校に駆け付け、担任の処置の話しを聞き四人を探していた。

部屋に入り、担任の前まで歩み寄ると、右肩に手を置く。

「ちょっと、いいですか。こいつ等確かに街中で、乱闘騒ぎを起こしましたが「退学」させる事は、ないんじゃないんですか?」

こいつ等は、手ぇ出してないと、警察からも連絡があった筈ですが?と付け加えて迫れば、担任の目が泳ぐ。

更に厳しめの言葉を投げかけて詰め寄ると、顔を青くさせ捨て台詞のように、一言言い残して部屋を出た。

担任が部屋を出たのを確認すると、政宗たちの方を向き、一言一人ずつ「悪かったな。」と謝り、後始末の話しをして部屋を出た。

元親と慶次は、帰ろうぜ。と政宗に声をかけるが、先に帰っててくれ。と一言残して小十郎の後を追った。



廊下を小走りで、小十郎が去った方へ向かうと、前方にスタスタと歩く姿が視界に入る。
声をかけて呼び止めれば、クルリと後ろを振り向く。

どうした?というような顔をしている相手に、一言「有難うございます。」と感謝を伝えれば、くしゃりと顔を崩して笑う。

そして、政宗の方に近付いて頭の上に手を乗せると

「お前たちの副担任なんだから、当たり前だろ?」

そう、グシャグシャと政宗の髪を乱しながら、笑った。
さっさと帰れよ。と一言残して、職員室に入る相手を呆然と見送ると、ハッとして、自分の顔が赤くなっている事を、自覚する。

すぐに玄関に向かい、靴を履いて外に出れば、先に帰っていたと思っていた二人が居た。
とりあえず二人に一言謝り、帰路に着いたのだが、先程の小十郎との会話が頭から離れず、上の空で二人の話を聞き流しながら帰った。



夏の補講の時に、担任が外されて、小十郎が急遽担任になったのには、驚いた。
あの一件で、教師内で一悶着あったのであろう。
生徒には秘密にしてあり、事実を知ってるのは現時点で、あの日学校に呼び出された三人だけになる。



あの日から、気持ちがモヤモヤとしていた政宗なのだが、今日改めて小十郎を見て、自分の気持ちに確信を持った。
この日から、政宗の小十郎に対する思いを、ぶつける日々と苦悩が始まった。



end


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あきゅろす。
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