夜遊び4 とりあえずは、主食として食べられる物を探して、いろんな店を吟味していると、後ろから肩を叩かれた。 「片倉先生と政宗じゃねぇか、こんな所で何してんだ。」 叩かれた方を振り向くと、元親と慶次が立っていた。 仲良く祭に来たのだろう、二人も浴衣を着ている。 「元親!慶次!…何してるって、祭に来たんだよ。」 元親と慶次の顔を見た政宗が、嬉しそうに笑い問いに答えた。 「てめぇらこそ、二人で祭見物か。」 慶次の片手に、綿菓子が握られていて、元親はタコ焼きを頬張っている。 もしかしたら、結構前から来ているのだろうか。 「そうだな、一緒に回ってんだ。さっき向こうで、幸村と佐助が一緒に居るのに会ったぜ。」 両手に、林檎飴や綿菓子やチョコバナナや団子を持っていたらしく、聞いているだけで、甘い物はいらなくなってきた。 きっと、佐助が世話をしているのだなと思い、大変なのだろうにと同情してしまう。 「おい元親、その腰に巻いてんの、女物じゃねぇか。」 そう政宗が言ったのを聞き、よく見ると確かに、牡丹色の派手な柄の浴衣を腰に巻いている。 上半身は、大分開けていて、肌の露出が高い。 一方、隣の慶次の頭には、朱塗りの簪と鳥の羽とお面が付いていて、着ている浴衣も黄色を貴重に、所々に朱色が見える。 二人で並んでいると、かなり目立っている。 「いいじゃねぇか、似合ってるだろ。」 腰に巻いている、浴衣の柄を見せるように手に取ると、満面の笑みで笑う。 確かに、上手く着こなしている為、そんなに違和感はない。 「つーか、何で手繋いでんの。」 隣に立っている慶次が、疑問を口にすると、心臓が大きく跳ねた。 すると、繋いだ手を政宗に引っ張られ、二人に見えるように上げさせられた。 「Ah〜,俺が悪さしねぇように、見張ってんだよ。」 握った手を二人に見せながら、理由を答えると、目の前の二人が、声を上げて笑った。 「お前は、日頃の行いが悪いから、そんな事になるんだよ。」 政宗の肩を叩きながら、元親が豪快に笑う。 「うるせぇよ、てめぇも人の事が言えねぇだろ。」 そう答えると、違いねぇ。と元親も笑い返す。 この二人の反応を見て、先程の理由は、政宗であれば、使っても違和感がないのだなと実感した。 「そっか!じゃあ、俺も悪い子だから、手ぇ繋ご。」 元親の横にいた慶次が、隣に移動したかと思ったら、空いている右手をぎゅっと握られた。 前から、身長が高いとは思っていたが、隣に並ぶと軽く背を越える。 掌もその分大きいのだろう、自分の手が小さく感じた。 [*前へ][次へ#] |