クリスマス小説 6 俺が思わず通りすぎようとした彼女の肩を掴んだ。 急に掴まれたのに驚いたのか川崎さんの鉄壁な笑顔が一瞬くずれ、目に動揺があらわれた。 そしてすぐ、鉄の仮面に戻り作ったような笑顔に戻ると、俺に 「何のようですか?」 と聞いた。 もう俺は騙されねぇよ。 「今言っても良いけど、 周りに人が多すぎる。 放課後、あの階段近くにきて。君が来ないと言い触らしちゃうかもよ 君のひみつ」 「…私のひみつ‥?」 『何を言ってるのこの人』 「何を言ってるの、この人」 俺が川崎さんの心の声を そのまま言ったら川崎さんの表情が固まった。 そして 「…わかりました。 では後で」 と笑顔で言うと、俺達の横を通り過ぎて行った。 川崎さんの友達らしき人と、俺の友達は理解しないまま不思議な顔をしている。 そして放課後になった。 前次 |