クリスマス小説
5
そんな事を思ったら、
川崎さんがこちらを見た。そして笑顔をこちらに向けてすぐに、友達の方を向いてしまった。
やばい。
笑顔を向けられてしまった。今日は一日幸せかもしれないと思ったら
「にやけてんじゃねーよ」
と隣にいる俺の友達が肘で俺を突いた。
「いてーよ。
それに、にやけてねーし」
『単純な男』
「だから
単純じゃねぇって…え?」
…え?
今の声は、明らかに美人な川崎さんの声だった。
友達は俺の横で、意味のわからない顔をしている。
゙単純な男゙って今、
川崎さん、言った‥よな?
あの美人な川崎さんが!?
まじかよ。
すごいショック。なんか単純な男って、…俺の事、馬鹿にし過ぎだろう、
なんかムカツク。
心の声と笑顔と美人さの矛盾に裏切られた気分だ。
『この女も、
少し笑顔でいたら友達になった気になってる
皆、単細胞なのね』
「おい、あんたっ…」
「えっ」
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