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クリスマス小説
9





気まずすぎる。





何か言葉にしなくてはと、俺が口を開こうとした時、ずっと黙っていた彼女が俺よりも先に口を開いた。




「そうなの。私達、付き合いはじめたのよ。まだ付き合いはじめたばかりだから、かおりちゃんと大田君、本当に悪いけどちょうどアツアツな時だから邪魔しないでね。

じゃあ坂口君、行こう?」



淡々と川崎さんが言葉を発し最後に二人に最高の笑顔を向けると俺の手を取って歩きだした。






『面倒くさい』






久々に川崎さんの心の声が聞こえて、さっきまで少しでも俺と元カノが気まずいのを察知してあんな事を言ってくれたんじゃないかとか、本当は良い人なんじゃないかという淡い期待を川崎さんの心の声が粉々に打ち砕いた。(それはもう、大きなハンマーで本当に粉々になるまで打ち砕いた。)






「面倒な事になったわ。
物の弾みであんな事をスラスラ言ってしまったけど、私と貴方、付き合いはじめた事になっちゃったじゃない。」



『どうしてくれるのよ。』










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