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6000HIT企画小説
19









「私は、卒業するまで待てないくらい川上さんが好きです」





「俺の名前知ってる?」





「川上さん…」





「下の名前は?」





「‥‥」





「何も知らないんだね、ソラちゃん」






川上さんがフフフと笑う。





「それは川上さんが教えてくれないからじゃない!」





私が反論すると川上さんが私の耳に顔を近付けて一言呟いた。









「はい呼んで」





「えー」





「だって兄貴だけ下とかなんだかムカつくし‥」





「えー」




川上さんが
わざと怒って見せる。





「はい、どうぞ」





「ハイリさん」





「“さん”取って良いよ」





「ハイリ」





「じゃあこれからは、下で呼んでねソラちゃん」





フフフと
川上さんが笑って言う。




この人は本当は意外に幼かったりするのかな?
というより、私を困らせて楽しんでる。…まぁ、それでも好きだからしょうがないかなぁ。





















「そういえば何で今日、

バスの仕事終わるの早かったの?まだ帰宅時間じゃないよね‥?」




「あー俺、インフルエンザだったみたいで」





「えー」





「一緒に移っちゃったね。ごめんねソラちゃん」





そう言う川上さんは楽しそうに笑った。






「だからソラちゃんが熱出たら学校休んでまたウチおいで」





「何で?」





「兄貴に俺のだから触るなって宣言するから」






川上さんは結構独占欲が強いらしい。笑顔の裏で何を考えているのか、まだまだわかりそうにないなこれは‥‥















「ソラちゃん、好きだよ
今日の髪型もいつもと違くて可愛い」





「っつ、」





「顔、真っ赤〜っ」







フフフと川上さんは笑う。そして車はまた静かに走りだした。
(シゲちゃんに何て明日説明しよう…)






END.







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