6000HIT企画小説
17
私がずっと黙っていると、川上さんが心配しそうな顔をしているのが、何となく見なくても感じられた。
「ねぇソラちゃん」
「……」
「本当に
東京に行きたいの?」
「行きたいよ。でも私は子供だから、まだ行ったって一人では生きていけない事ぐらいわかってるよ。
でも私、川上さんの気持ちを知りたかった。他の人の思いなんか別に良いの。でも川上さんって、何考えてるか全然わかんないよ」
「え?」
「私、まだ子供だし、相手にすらされてないってわかってるけど…それでも川上さんが好き。
だから、川上さんがどう思っているのか知りたい!川上さんは、いつも他人の考えしか言わないから本当の気持ちがわからないし、教えてほしい!!」
「‥‥」
私がそう言うと川上さんは黙り、私は自分の発言に後悔をした。…こんな事、言うんじゃなかったなぁ‥‥
「川上さん?」
恐る恐る聞いてみた。
すると、
「寄り道するね」
「え」
そう言うと川上さんは近くの公園の横に車を止めた。
そして大きなため息をつき、ハンドルに顔を埋める。
*前#次
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!