6000HIT企画小説
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顔は私より絶対年上だと思うんだけど、身のこなしの軽さや表情が幼く見えて私は思わず笑った。
「なんか楽しい事でも
あったんだ?」
「いや、レイさんが少し子供っぽいなぁって」
「俺は結構
年齢いってんだぜ?」
「いくつですか?」
「二十四歳」
「ウソだぜったい」
「うん嘘」
「やっぱり。」
「本当は二十六歳」
「えー」
私が本当に驚いた顔をしていると、レイさんは「失礼だな」と笑って私の方を見た。この人は川上さんとは違うけど楽しい人だなぁ。とそんな事をふと考えていたら、
「一緒に東京行くか?」
と聞いてきた。
「え」
私がまた驚いたのと、ドアの鍵がガチャリと鳴ったのが丁度同じで、私がバッと音の方に顔を向けると川上さんが「ただいま」と入ってきて私の顔を見るなり固まった。
「え」
そして私と川上さんが同時にそう呟くとレイさんが私の横で「おかえりー」と川上さんに向かって片手をひらひらさせながら、笑った。
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