6000HIT企画小説
9
「起きてないです」
「いや、起きてるだろ!」
明らかに乗りの良い声が返ってくる…意外に‥若い?
恐る恐る
後ろを振り返った。
「はじめまして」
見た事のない男の人が、
こちらに笑顔を向ける。
でも少し見たことがある気もしてしまう、そんな笑顔
…悪い人ではないのかな?
「‥‥あの
…なんで、私ここに?」
「んーなんとなく」
「へ?」
「特に意味なし。」
「は?」
「あ、ごめんごめん。
可愛いと思って連れてきた。」
あまりにもそういう言葉に弱いのか何故だか私の顔は真っ赤になる。
「かわいー」
前にも言われたようなセリフをこの知らない人に言われ、やっと我に返った。
「あっ!!
私、用があるんです!」
「えー帰んの?」
「会いたい人がいるんで…あ、少しばかりの間ですがお世話になりました。
では!!!」
「待ってよ」
私がお辞儀を一回して横にあった自分の鞄を取り、その男の人に背を向けると急に左腕を捕まれた。
「え?」
とっさに声が出た。
‥‥やっぱりこの人、誘拐犯なの?!
私が動揺した顔をしているとその人はゆっくり腕から手を離して、
「俺はレイ」と言った。
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