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【―薄桜鬼―沖田総司連載】
*【愛しさを闇に溶かして】8話番外編(フリリク)※微裏



「・・・・・」



スゥスゥと静かに眠っている君・・・



あんな目に合って、怖かっただろうに――



こんな事になるんなら、君から離れるんじゃなかった。



君の寝息が聞こえる度に、あの光景が頭を過ぎって・・・







初めて山南さんが、憎いと思った――



君を傷つける彼が憎い


君を泣かせる彼が憎い







君に、触れる彼が許せない――・・・





「蘭ちゃん・・・」



そう呟いても返事はなくて、君は気持ち良さそうに眠っている。





あんな目に合って、怖かっただろうに――・・・






君の髪を優しく髪をとけば、甘い香りがして・・・。




それを山南さんが間近で感じていたのだと思うと、苛立ちが募る。




この子に触れるのは、僕だけでいいのになんて子供みたいな考えが僕の頭を占めていて・・・





考えるより先に僕の身体は動いて、そっと眠っている君の唇を親指で優しくなぞる



『・・・・』



沖田はまったく起きる気配のない蘭に、まるで吸い寄せられるように近づき、自分の唇がその唇に触れる寸前で少し迷ったようにぴたりと止まり、「ゴメン・・・」と小さく呟くとその可愛い唇に軽く優しく口づけた。




蘭ちゃんの甘い香りに包まれて、酔っちゃいそうだ――



『ん・・・』



眠りながら漏れる君の小さな声に、身体が熱くなるのがわかった




まるでもう僕は君の甘い毒に侵されてしまったかのようで――




もっともっと君に触れたくてたまらない。

もっともっと君の声が聞きたくてたまらない。




考えるよりも僕の手は勝手に蘭ちゃんの袴に妖しくするりと入り込む。


そして君のその可愛い唇に吸いつくように口づけしながら、まるで獲物をたしなめるかのようにいやらしく足をなぞる


『・・・ふっ・・・・ん・・・』


「・・・・」


この甘い香りに酔って、君の甘い声に酔って、何も考えられなくなる――


思考が回らなくなって、そのまま蘭ちゃんの下着に僕の手が浸入しようとした時、蘭ちゃんの身体が『んっ・・・』と言いビクッと小さく揺れた。

「・・・っ」


起きたのかと思い、パッと蘭ちゃんから離れる。


だが、君は相変わらず気持ち良さそうに眠っていて・・・





『・・・・ん、沖田・・・さん・・・』



「・・・・!」

自然と見開かれる沖田の瞳



何か、胸が熱くなった。君の口から僕の名前が零れただけで嬉しくて、切なくて、どうしようもない気持ちが溢れて――・・・




「・・・・あーあ。ホント、僕って最低」


そう言い何処か嬉しそうに笑う彼は、眠っている蘭の額にチュッ、と軽く音を立てる。




「ごめんね、蘭ちゃん・・・」




そう言い蘭を見つめる沖田の表情は、とても優しく甘いものだった――・・・








君を汚したりなんてしない。

君を傷つけたりなんてしない。








君の為ならばこんな欲、自分の中に閉じ込めておこうと思った――・・・







【愛しさを闇に溶かして】

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≠千鶴夢ランク


―後書き―

完結祝いフリリクの【嫉妬・独占欲・甘微裏】です^^
おおっとこのテーマでこの山南さんのシーンを使わずして何を使う・・・!!といった感じで書かせて頂きました(笑)
こ・・・こんなもんで宜しいでしょうか・・・?滝汗
感想などあれば送って下さると嬉しいです^^


2009.07.08


あきゅろす。
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