[通常モード] [URL送信]

【―薄桜鬼―沖田総司連載】
*【誕生日】4444キリリク




もう此処での生活にも慣れて、私も少し、有意義な生活を送っていた・・・


『〜〜♪〜』



「なーにやってるの?」



『ひゃっ!?』



急に背後から沖田さんの声が聞こえ、私の肩が上がる




「ん・・・?へ〜、それ花の髪飾り?器用だねー蘭ちゃん。」


ふーん、といいながら沖田さんは私の手からそれを取り上げじろじろと眺めていた・・



『ひ、暇・・・・でしたから・・・』



良い歳して何やらこんなもので遊んでた自分が恥ずかしくなる



「花遊びねぇ・・・そう言えば蘭ちゃんっていくつだっけ?」



『・・・・十九・・・・ぁっ・・・!』



私がふと声を上げると、沖田さんが何だという顔でこっちを見る




『・・・・・今日で二十歳になりました・・・』



此処での時間が経つのが早くて忘れていた事に驚き、何処か抜けた声でそう言った



「・・・・・・」


すると、沖田さんも驚いたと言うように目をきょとんとさせている


『・・・・こ、此処での生活は時間が経つのが早くて・・・・わ、忘れてたんです・・・』


蘭は恥ずかしそうにそう言う




「・・・できればもうちょっと早く聞きたかったなあ、それ」



沖田さんは考え込むように少し困ったような顔をする



『・・・・・?』





すると、沖田さんは何か思い出したかのように手をたたいた。




「そうだ、蘭ちゃんちょっと目瞑ってて?・・・そうだなぁ・・・三十秒くらい。」



『え?あ、はい・・・』




私は訳もわからないままただ言われた通りに目を瞑った





1、2、3・・・・と心の中でゆっくりと数える





「――〜♪〜〜〜♪」




何やら沖田さんの鼻歌が聞こえる





目を開きたい衝動に駆られたが、そこはぐっと我慢する・・・





・・・・・





26、27、28・・・と後少しという時に、手に触れる感触・・・









思わず、目を開く。其処にあったのは・・・・









「お誕生日、おめでとう――・・・」










私の指に綺麗にはまった小さい花の指輪と、沖田さんの優しくて温かくて眩しい笑顔――








『――ぁ・・・』




何か、胸が熱くなって言葉がでなかった







「蘭ちゃんがいきなり今日が誕生日なんていうからさ、何も準備できなくてこんなんで悪いけど――・・・」





蘭はふるふると首を横に振る







『・・・・ありがとう御座います・・・凄く、綺麗・・・』




「ははは、さっき蘭ちゃんの見て作った即席だけどね?」




人のを見ただけでたった30秒でこんなのを作ってしまう沖田さんはどれだけ器用なんだろうと思った・・・





「今度、町にでた時何か買ってあげるから今はこれで我慢してね?」


そう言い沖田さんはクスクス笑う




『もう、これだけで・・・胸がいっぱいです・・・・』




「貧欲だなあ・・・蘭ちゃんらしいけど」





『・・・沖田さんからもらえるなんて思ってませんでしたから・・・・』





「・・・・・」






すると沖田さんはスっと立ち上がる






『・・・?』






「蘭ちゃん、立って立って!」






『あ、はい!』



私は言われるがままに膝を軽くはたき立ち上がる






『何です・・・・・きゃっ!』






いきなり身体が中に浮いた――






足はどれだけのばしても地面に届かなく、いつもと違う目線・・・



下を見れば沖田さんの顔があって・・・・









沖田さんに、持ち上げられてるんだと気づいた――






「もう一つの誕生日祝い。どう?いつもと違う景色は・・・」



『・・・・お、沖田さんの顔が良く見えます・・・』




そりゃいいや、と沖田さんは笑う






こうしてみると、睫毛が長いとか、瞳が綺麗だとか、鼻が高いだとか、唇の形が綺麗だとか・・・




以外に笑った顔が無邪気だとか――



そういう事がわかって、何か胸が熱くなる。




『も、もう下ろして下さいっ・・・!』



何処か恥ずかしくて足をばたつかせる




「!?わっ、ちょっと!急に暴れたらあぶな・・・っ」









『きゃあっ!』
「わっ!」






どん!と大きな音がする









それは見事に二人でひっくり返った音――






「あいたたた・・・・だから言ったのに・・・」


『〜〜す、すみません・・・』





「『あ・・・・」』





気付けば二人の距離はあまりに近くて、後、数センチ・・・




「これって、僕ちゅーしてもいい?」



『だだだだめです・・・・!!!!』



沖田の発言に勢い良く顔を押さえ離れる蘭


「・・・何その反応、傷つくなあ・・・」



だって、きっとドキドキしすぎて私の心臓が壊れてしまうから――












「せっかく祝ってあげたのに、この仕打ちじゃあなあ〜。お礼のちゅーでもしてもらえると思ったんだけど?」


そう言い沖田さんはからかうように言う




『・・・・』



「・・・・・?」




私は沖田さんにもらった指輪をそっともう片方の手で包み、一歩沖田さんに近づいた――









「・・・・!」




そして、蘭の小さな唇が沖田の頬に軽く触れた――






『ありがとう・・・御座いました――』



そう言い顔を赤らめる蘭















(蘭ちゃんそれって反則って、知ってる――?)




『今度は沖田さんの誕生日も、祝わせて下さいね?』



そう言って笑った君の笑顔が眩しかった







(ま、いっか――・・・)





「僕、お祝いは蘭ちゃんがいいなあ・・・」





『?何ですか?私、何すればいいんですか?』





「プくく・・・っ」





『!・・・?・・・???』












そんな無垢な君が、好きだよ――






【誕生日】

面白かった!という方は↓をクリック^^
薄桜鬼巡り


―後書き―
絵里様に捧げます。4444のキリリク蘭ちゃんの誕生日ネタです^^
これはまだ次期で言うと連載最初の方ですかね?
こんな小説ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです(_ _)
絵里様、リクエストありがとうございました!

2009.06.19


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!