trick
2
中学の時から、夜家を抜け出し、いつもチームの元へ行っていた。
そのチームの名前は、
“trick”
そこで俺は、総長という肩書きだった。
昔から、背も小さく女顔な俺はからかわれる事が多かったから、心配した父が空手と柔道をやらせたのだ。
俺に合っていたらしく、結構強くなったんだな、これが。
身軽さを武器に、いつも喧嘩していた。
チームの奴らは慕ってくれたし、皆仲も良かった。
あそこだけが俺の居場所に感じていた。
…大切な…。
「あいつらにもしばらく会えねーな」
そう思っていると、急に瞼が重くなる。
準備が間に合わなくてあまり眠れなかったからな…。
俺は、静かに目を閉じた。
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