trick
4
カイは、俺の腕を掴み、スタスタと歩き出した。
足の長さが違いすぎて、俺は小走り状態。
「てめぇ触るな!!てかどこに行くんだよ!」
必死に腕を外そうと暴れる。しかしカイはびくともしない。
「どこって、理事長室だろうが。紅、転入生なんだろ?」
「あ。」
完全に忘れていた。そうだ、俺迷子になってベンチで夢の国へ行ったんだ。
…約束の時間は、かなりオーバーしている。
「ったく、何でこんな森の中にいるんだよ…」
「普通に歩いてたらここにたどり着いたんだよ!」
「アホ。この森は校舎と全然違う位置なんだよ」
ひっぱられながら片手で地図を見る。
…最悪だ。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!