ごめんなさい(サソリ)
雨が上がる。空からは重たい雲が消えた夜。
ガチャガチャΣ
玄関の鍵が開く音がした。帰ってきたのだ。
蠍「ただいまー!アリスー!」
私は玄関に急いだ。
『サソリ!お帰り!』
見慣れた彼が居る。
蠍「ただいまっ」
靴を適当に脱ぎ捨て、私を抱きしめた。
『苦しいよぉ;』
蠍「会いたかった…」
たった数時間いつもより会ってないだけ。なのにサソリは力強く私を抱きしめた。
『もー;あれ?デイダラ達は?』
一緒に帰るはずの人達が居ない。
蠍「今日は実家だって…」
抱きしめたまま話すサソリ。なんか子供みたい。
『そっか。』
蠍「雨…」
『え…?』
蠍「雨大丈夫だった?」
ドクン…
『あ…う・うん;大丈夫だったよ』
蠍「…傘持っていったのか?」
『え…あ、うんっ!』
嘘…。本当は我愛羅が送ってくれた。でも言えない…
蠍「…本当に?」
『う・うん!そんな事より早くリビング行こう?ご飯作ったの。』
サソリから離れ、リビングに行く。
蠍「…」
気づかないで…
『はい。今日はカレーだよー。』
気づかないで…
蠍「うまそうだな。先に着替えて来るな。」
お願いだから…
『準備しとくね』
気づかないで…
雨の日の秘め事…
我愛羅との…
『…ごめん…』
誰もいないリビングで小さく呟く
ごめんなさい
ごめんなさい…
嘘をついて…
ごめんなさい
(ごめんなさい)
これはあなたについた重い重い嘘…
食事の支度をしながら
一人罪悪感にさいなまれた…
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