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証拠隠滅(サソリ)


『サソリー見て見て』


皿を持ってアリスが部屋に入ってきた。


蠍「…?いい匂いがする」


どうやら匂いは皿から香るらしい。アリスが手に持つ皿を覗くと人の顔の形のクッキーが乗っていた。


蠍「…クッキー?」


『うんっ!』


ニッコリ微笑むアリス。ん…?これ誰かに似てる…ショートカットに眠そうな目…


蠍「これ、俺?」


『うん。似てるでしょ?』


蠍「ククッ…あぁ…食うのもったいねーな。」


嬉しくて、顔が緩む。


『フフッ、デイダラ達のも作ったんだ』


…俺だけじゃねーのかよ;たしかに皿の上にはデイダラやイタチ、飛段もいる。


『みんなにもあげてくるね。』


蠍「俺も下いく」


リビングに向かうアリスに、俺もついていく。


飛「すげー!まじ似てるぜぇ!」


鼬「フッ…俺に似たイケメンだ…」


蠍「イタチまじナルシだな」


『確かに;でも喜んで貰えて良かった。』


2人の反応に安堵の笑みをこぼすアリス。

蠍「つか、デイダラはどこだ?」


飛「本買いにいったぜ」


鼬「あいつのことだ、どうせエロ本だろ」


イタチの口からエロ本の単語を聞くのは正直違和感がある。


『私ちょっと部屋いってくるね』


そういって、アリスは部屋に向かった。


飛「なぁなぁ、デイダラちゃんのクッキーにいたずらしちまおうぜ」


鼬「ナイスアイデアだ」


蠍「馬鹿、せっかくアリスが作ったのにそんなこ…」


俺は見つけてしまった。俺達の顔のクッキーの下に、見覚えのある顔を。


蠍「これ…」


飛「あ、それなんか我愛羅に似てるな」


鼬「確かに」


蠍「…」


バキッ!


飛鼬「Σえぇ!?」


蠍「…つい手がすべっちまった。」


こいつら同居人の顔だけならまだ作るのは解る。だが、何故あの我愛羅の顔まであるんだ!?あぁ?そう思ったらなんか我愛羅クッキーに怒りを覚え、バキッ!とやっちまった。


飛「サソリ!お前さっき俺らに言った事覚えてる!?」


鼬「アリスがせっかく作ったのにとかいってたではないか!」


俺の行動に口を揃えて喚く2人をチラッと見てから、我愛羅クッキーを口の中に放りこんだ。



(証拠隠滅)
これで、証拠隠滅だな。




【そんなんで隠滅できる訳もなく、アリスにバレたサソリはこっぴどくしかられた。】


『サソリのばかー!あれは、数学のお礼だったのに!』


蠍「…だってよぉ…」


『だってじゃなーい!』


だって…あいつのだけ体付きだったんだぜ…。


俺達のは顔だけだったのに…。悔しいじゃねーか…


泥「ところでオイラのクッキーは?うん」


飛「ゲハハ、食っちまったぜ!」


泥「テメー飛段ぶっ殺す!!!うん」

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