兄妹(デイダラ)
最近お兄ちゃんがおかしい…
泥「お前今日から門限5時な。うん」
『は?なんで…?;』
泥「なんでじゃねぇよ。とにかく門限5時。うん」
お兄ちゃんはそれだけ言って私の部屋から出て行った。
『…?』
訳が解らない。もう16歳だよ?ママには門限10時って言われてるのに…
…お兄ちゃんの言うことなんて聴かなくていいか…
それに明日は彼氏とデートだし…
『我愛羅ー、お待たせ!』
我「アリス」
彼はふっと微笑んで、私に手を差し出した。
『えへへっ』
私は差し出された手を取り、彼の隣で歩き出した。
『それでね、サクラったら…』
pipipi…
我「携帯鳴ってるぞ。」
『誰だろ…』
携帯を開くと、着信はお兄ちゃんからだった。
『…』
時刻は5時10分。そういえば昨日門限5時とか言ってたなぁ…
『…』
パタン
我「電話だろ?出ないのか?」
『あ…うん。お兄ちゃんからだしいいや!』
我「大丈夫なのか?」
『いいのいいの!』
私はお兄ちゃんからの電話を無視して、携帯をしまった。
pipipi…
5分後、また着信。
『…;』
我「出たほうが良くないか…?」
『う゛〜ん…解った;』
我愛羅に言われて、電話に出る。
『もしも…』
泥「アリス!!!なにやってんだコラァ!!門限5時っつったろ!今どこだ!?うん」
出たと同時に怒鳴られた。
『それはお兄ちゃんが勝手に言い出した事じゃない;』
泥「いいからさっさと帰ってきやがれ!うん」
…ウザい…
『…』
ピッ
我「どうした?なんかあったのか?」
いきなり電話を切った私に、我愛羅は不思議そうに言った。
『いや…大丈夫。なんか最近お兄ちゃん変だから;』
我「兄貴が?」
『うん;』
pipipi…
…またかよ!
いい加減本気でウザくなってきて、私は携帯の電源をOFFにしてカバンの中に閉まった。
我「…いいのか?」
『うん。それに…今は我愛羅と居るんだもん…』
我「…///」
私の言葉に我愛羅は耳まで赤くして、視線を逸らした。
『…///』
そんな我愛羅に私もつられて赤くなる。
凄い好き…
私達は10時近くまで街をブラブラし、家に帰った。
『送ってくれてありがとう』
我「いや。構わない」
『また明日ね』
我「あぁ…」
私達は触れるだけのkissをした。
本当に好き…大好き…
私は幸せを感じながら、我愛羅の背中を見送った。ふと、携帯に手をやり、電源を入れた。
『…な…にコレ…』
携帯を見ると着信が50件。メールが30件以上来ていた。
『…お兄ちゃん…』
それは全てお兄ちゃんからだった。
メールの内容は、早く帰って来い、とか、なにやってんだ?、とか…しかし最後のメールを見て、背中に悪寒が走る。
“帰って来たら、思い知らせてやる…”
と…
怖かったが、ママも居るし、私は門限の10時を守っている…だから大丈夫だよね…、と思い家に入った。
『た…ただいま…』
そっと静かに家に入ると、お兄ちゃんがもの凄い勢いで私の元に来た。
泥「テメェ!なんで電源切ったんだ!?門限も5時っつったろ!なにやってたんだ!?ああ゛!?」
『キャッ!』
お兄ちゃんは私の腕を掴み、怒鳴った。
『っ…痛い!離してよ!』
泥「お前が言うことを聞かないからだ!うん」
更に力を込め、腕を握る。
『やっ…ママ…助けて…』
泥「母さんなら居ないぜ」
『え…?』
泥「夜勤だってさ…うん」
頼みのママも居ない。居るのはお兄ちゃんと私だけ…
『う…そ…』
泥「オイラの言うこと聞かないとどうなるか…教えてやるよ…」
そう言って、お兄ちゃんは私に乱暴した…
『嫌っ…やだ!』
泥「もう処女じゃねぇんだろ?」
『助けて…我愛羅…』
泥「その名を口にするんじゃねぇ!!!」
『キャァ!!!』
(兄妹)
どうしてこんな事になったんだろう…
お兄ちゃんは変わってしまった…
誰のせいで?
…私のせいなの…?
実の兄に抱かれながら
私は静かに涙を流した…
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