秘密の約束(サソリ)
アリスにとって、俺ってなんなんだ?
『デーちゃーん』
泥「なんだい?アリス?」
『髪結って?』
泥「いいぞ。こっちおいで。うん」
デイダラの足の間にちょこんと座り、髪を結ってもらうアリス。
蠍「…」
なんで?なんで俺にたのまない?なんでデイダラなんだ?
泥「できた!今日はおだんごだぞ!うん」
『わ〜!可愛い!ありがとう!』
泥「どういたしまして。うん」
デイダラに礼を言って、俺の元にくるアリス。今日はおだんごか…チキショー…怒ってるはずなのに、アリスが可愛すぎて怒るに怒れねー…
『旦那!みてみて、デーちゃんが結ってくれた!』
ニコニコ幸せそうに笑うアリスに、ついつられて口元が緩む。
蠍「良かったな。」
この笑顔の前じゃ、怒りも忘れてしまう。アリスの頭撫でる。
『だめー!おだんごがくずれる!』
俺の手を払い、鏡で頭を見る。せっかく撫でてやったのに…
蠍「わりぃわりぃ;」
しかし、俺は大人だ!(けっっしておっさんじゃねぇ!)こんなたかだか12歳の少女にいちいちキレてらんねー。
『へへへ。サソリはアリスに優しいねっ!』
そりゃ当たり前だろ。確かにまだガキんちょだが、好きなもんは好きなんだから…。
蠍「…そうか?」
『デイちゃんには厳しいもんっ』
蠍「あいつはうるさいからだ。」
『飛段にも』
蠍「あいつはグロいからだ」
『イタチにも』
蠍「すかしたガキは嫌いなんだ」
『鬼鮫にも』
蠍「人間じゃないからだ」
『…』
蠍「…」
『アリスは特別だからじゃないの…?』
蠍「え…?」
急に俯いたアリス。
『アリスは…サソリにとって特別だから優しいのかと思ったのに…』
蠍「アリス…」
たまらずアリスを抱きしめた。
蠍「お前がさ…」
『…え?』
蠍「お前がもっと大人になって…そうだな…髪を一人で結えるくらいになったら、俺の女にしてやるよ。」
『本当に?アリス、サソリの彼女になれるの!?』
蠍「あぁ…」
『わかった!早く大人になるね!』
腕の中で笑う少女。はぁ…俺もとうとう、イかれちまったのか?こんな子供に恋をするなんて…
蠍「待つのは嫌いだが、待っててやるよ」
『うん!サソリのために早く大人になるね!』
待つのは大嫌い。だけど君の為なら待っててやる。
泥「アリスー。今日はどんな髪型にする?うん」
『デーちゃん!私今日から一人で髪結ぶっ!』
泥「え!?なんで!?うん」
『早く大人になるためっ!』
そう言って笑う少女に、?を浮かべるデイダラ。そして、アリスはチラッと俺を見てから走って洗面所にむかった。
泥「今アリス、旦那の事みた。うん」
蠍「だからなんだ?」
泥「あんたが絡んでるな?アリスになにいったんだい?うん」
蠍「さぁ…」
泥「言っとくけど!アリスはオイラのだからな!うん」
蠍「言ってろ。」
この約束は、初めてした二人の約束だから誰にも教えない。
(秘密の約束)
『サソリ』
時が立つのは早く、気づけば少女は、女性になっていた。
『一人で結べたよ』
だけど、笑った顔は変わらない。昔のような可愛い笑顔。
【約束を今、果たそう】
(結婚するか?)
(え…?うんっ///)
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