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許さないで(デイダラ)

どうか

『デイダラー』

どうか

泥「どうした?うん」

どうか僕を

『任務だって!サソリが呼んでる!』

汚い僕を

泥「わかったー!うん」

許さないで…

蠍「木の葉とか久しぶりに来たな」

泥「何年ぶりかな?うん」

蠍「5年と3ヶ月」

泥「数えてたのかい?うん」

蠍「アリスが暁(うち)に来た時だからな…」

泥「…」

そう…

アリスは木の葉の忍。オイラ達の敵だった。

でも…

一目見た時から

君に吸い込まれた…

仲間の亡骸を抱きしめて泣く君の前に立ち、君を見下ろしていた。

『っ…よくも…よくもっ!!!!』

クナイ片手に、無謀にも立ち向かってくる君

トンッ…

『う゛っ…』

瞬身でよけ、首を打つ。

君はあの時オイラに殺して欲しかったんだよな…

死を確信し、忍らしく死を迎えたかったんだよな…

君の体を抱きかかえアジトに向かった。

蠍「んなもん拾ってくんな」

鼬「まったく…暁は動物禁止だぞ。」

泥「動物じゃねーよ!人間だっ!」

とりあえず自分のベッドに寝かせ様子を伺った。
泥「(起きたらなんて言うんだ?きっとまたオイラに向かってくるしなぁ…)」

そんな事を考えていると、彼女は目を覚ました。

『ん…』

泥「!?;」ビクッ

『…』

目を覚ますと彼女はあたりを見回した。

『ここ…どこ?あなたは…だれ…?』

泥「…え?」

記憶が…無い…?

その事態にオイラは内心喜んだ。

そして記憶の無い君を側に置いた

旦那に頼んで新しい記憶を

オイラにとって都合のいい記憶を彼女に植え付けた

『デイダラ任務頑張ってね!』

泥「おうっ!」

蠍「また怪我すんなよ。しても置いていくからな」

泥「旦那ひどっ!うん」

『もー、喧嘩してないで早く任務いきなさーい!』

泥「行ってきまーす!」

『早く帰ってきてねー!』

屈託のない微笑み

オイラだけに向けてくれる優しい眼差し

ハマってしまったらもう戻れない

もう後には引けない

ズキリと心が軋むときもある

でも…

“デイダラ”

あの笑顔に

声に

指先に

口元に

全てに

触れていられるのならば
この胸の痛みごと…

泥「背負いきってみせる…」

蠍「…」

そう…

背負いきってやる…

君が全てを思い出してしまうまで

オイラが一人で背負いきってやる…




(許さないで)


どうか僕を許さないで


どうか


どうか僕の罪を許さないで


そして


咎めて下さい


それが君にした事の


唯一の償いとなるのだから…



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