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終わり(サソリ)


始まりがあるから

終わりがある

『…』

薄れていく意識の中に浮かぶは只一人

『…サソリ…』

あぁ…私は死を迎えるのね

『…』

やば…手の感覚がなくなってきた…

泥「アリス…」

『…満足…?』

泥「…」

視界に移るは、私を死に至らしめたクナイを握るデイダラ。

泥「…お前が悪いんだぞ…うん…」

私が悪いのか…

私がデイダラでなくサソリを選んだから…

…違う…

『…私は…悪くない…』

泥「っ…」

私の言葉に逆上したデイダラは、握りしめたクナイを私に振り下ろす。

何度も

何度も

もう、痛いという感覚すらなくなった。

『…』

これで終わり

はぁ…

私の命はこんな終わり方か…

できたらもう一度サソリに会いたかったな…

『…さ…そり…』

それが私の最後の言葉

ロマンチックかも

愛する人の名前を呼びながら

息を引き取るなんて…

『…』

泥「…アリス…」

動かない体

刺されすぎて血まみれの体

お世辞にも美しいとはいえぬ体

そんな体をデイダラはただただ抱きしめていた

泥「っ…オイラは…オイラはぁ…」

青い瞳から流す涙は美しく
そして悲しげに

私の体に流れて落ちた




(終わり)

これが私の終わり

これが私の命の期限

美しいとは言えないけれど

ちょっとロマンチックでしょ?



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あきゅろす。
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