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この乱世で

死せる者に復活を…


どこかの宗教本に書いてあった


『…うさんくせー…』


泥「うん?」


『死んだら終わりだよね。生き返るなんてあり得ない。』


泥「ププッ…確かに。うん」


『神様とかいると思う?』


泥「ないな。うん」


蠍「俺も思う。」


『やっぱ?』


泥「いきなりどうしたんだよ?うん」


『…この前の任務でさぁ…』


--------------


「うぅ…」


『何かいい残す事、ある?一言なら聞いてやるよ。』


「っ…我々が信じる神は、必ず我々を守り、復活を約束してくれる…」


『ふーん…』


「貴様等にも神の鉄槌が下るだろう…」


『ふーん…』


「死せる者に復活を…」


グシャッ…


『…一言…って、言っただろ?』


--------------


『って訳。』


泥「あっはっは!!!!」


蠍「ククッ…」


『…笑っちゃうでしょ?』


泥「ああ、神か…」


蠍「死せる者に復活か…」


『あの一族はかなりの宗教マニアとみたね。』


蠍「神を信じてそいつが救われんなら、いいんじゃね?」


泥「そうそう。例えそれが存在しない空想の者だとしてもな。うん」


『フフッ…だよね』

神なんていない


この乱世は己の“力”のみ


信じて生にしがみつくしかないんだ


『…神様…かぁ…』


…はっ


笑わせてくれるよ


蠍「信じて救われたらいいじゃねーのよ」


信じて救われたなら


そいつは幸せだろう


泥「死にゆく間際でも現れない神を信じて馬鹿な奴だ」


馬鹿だよね


でもさ


『いいじゃない。それがそいつの生きる糧になったんだし。』


いいじゃない


神なんて存在しない


いねーんだよ


『この乱世で…』


泥「信じられるのは…」


蠍「己の力のみ…」


そう


己の力のみ…




(この乱世で)


神を信じてなんになる?


信じられるのは


己の力のみ



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あきゅろす。
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