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この愛にさようなら(デイダラ)


泥「…で?旦那は要するに何がいいたいの?うん」


蠍「だから、アリスに告白もしないで諦めて欲しい」


今オイラは恋敵の旦那に、アリスを諦めろと言われてる。


泥「…それは一方的すぎだろ?うん」


蠍「…わかってる」


泥「…」


蠍「でも、諦めろ」


泥「…無理だね。うん」


蠍「あいつ、お前に告白なんかされたらきっと凄く悩むと思うんだ。悲しい顔を…思いをさせたくないんだ…」


旦那の真っ直ぐな言葉と瞳に、ああ、旦那はアリスを本気で愛してるんだなって思った。


泥「…」


でも、それはオイラも同じ。アリスに悲しい顔も悲しい思いもさせたくない。


蠍「頼む…諦めてくれ…」


泥「…オイラだって…」


蠍「…」


泥「オイラだってアリスが好きなんだ…愛してるんだ…うん」


蠍「…デイダラ…」


泥「…っ…わりぃ…その願いだけは旦那でも聞けない…うん…」


そう言って自室に戻った。


蠍「…悪い…デイダラ…」




泣かせたくないさ


悲しませたくないさ


いつも笑顔を絶やさないで欲しいさ


でも…


それでもオイラには必要なんだ…


(デイダラ!)


彼女が必要なんだ…


泥「っ…う…」


涙を流しながら、君を思う


泥「…っチキショー…」


涙を流すなんていつ以来だ?


こんなの忍らしくない


こんなの…


オイラらしくない…


泥「悲しませたくねぇよ…」


だから…


諦めるしかないんだ…


彼女の笑顔を絶やさない為には…




『これから任務?』


蠍「ああ」


泥「うん」


『いってらっしゃい』


蠍「いってくる」


泥「いってきます。うん」


次の日、オイラ達は任務に向かった。いつものようにアリスが見送りにきた。


泥「…アリス!!」


『ん?なぁに、デイダラ?』


蠍「…」


泥「…バイバイ!」


『…あはは!いってきますでしょ!』


これはオイラなりのさようなら。


君への思いへの


さようなら…


蠍「…デイダラ…」


泥「…なんだよ?うん」


蠍「…ありがとう…」


泥「別に旦那の為じゃねーよ。うん」


蠍「ああ…でも、ありがとう。」


泥「…ケッ…」


これでお別れ


この気持ちへの


君への愛のお別れなんだ


君の笑顔が続くなら


その笑顔の為に


この心を殺して…


君の為に


全ては君の幸せの為に…


さようなら…




(この愛にさようなら)


これは悲しい話なんかじゃない


オイラは大好きな君の笑顔を守ったんだ…うん


【涙を隠す為に、旦那より先に歩くのは、逃げではないよな?うん】




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あきゅろす。
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