検討違い(サソリ)
黒髪に黒い瞳、吸い込まれてしまいそうなくらい美しい。
『…で?』
蠍「だから、俺のものになれ。」
漆黒の瞳は、見るものを魅了し、捕らえて離さない。
『…ばかばかしい』
捕らえられた奴は皆、もうのがれられない。
蠍「おいおい、結構失礼な奴だな。」
俺も捕らられた奴の一人。
『サソリと一緒になって、私になんの徳がある?』
…ないな。
蠍「満足させてやれるけど?」
『ははは、無理無理。』
蠍「あ?」
『私は、金髪で青い瞳が好きなの。』
…デイダラじゃん。
蠍「あんなガキの何処がいい?」
『素敵じゃない。』
蠍「何処が?」
『芸術的だと思う。』
蠍「俺の方が芸術的だ…」
すると彼女は立ち上がりざまに言った。
『いつ消えてしまうか解らないから、目が離せないのよね』
あぁ、彼女は一瞬という名の芸術に魅せられた一人なのか…
蠍「…一瞬…ねぇ…」
俺には解らない
永遠だからこそ
いつまでも見ていられる
永遠だからこそ
消える心配はない
これはまさしく
検討違い
だな
蠍「お前を永遠にしたい…」
消える心配のない
そんな存在にしたいんだ
(検討違い)
こりゃ…一瞬と永遠の果てしない戦いだな。
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