永遠じゃない(サソリ)
『永遠?…フフッ…』
蠍「なにがおかしい?」
『いや、べつに』
蠍「ああ?」
『フフッ…』
アリスに永遠の良さを少しばかり話したら、クスクスと笑いだした。
蠍「なぜ笑う?」
結構真面目に話したにも関わらず、クスクス笑い続けるアリス。
『…くだらないね』
この女…笑うだけでは飽きたらず、くだらないとまで抜かしやがった。
蠍「…てめぇ…」
『あ、ごめんごめん』
謝り方はまるで軽くあしらうような感じ。かなりムカツク。
蠍「マジで殺されたいのかよ?ああ゛!?」
デイダラなら悲鳴を上げて土下座してきそうなくらいの殺気をだしても怯まない。
『だってくだらないじゃない。』
蠍「なにがだよ?」
『永遠が』
…なんか俺の全てを否定された気がして、ムカツクを通り越し、悲しくなった。
蠍「永遠がくだらないって事は、この俺自体もくだらないって事かよ?」
少しだけ、切なそうなに言ってみた。
『サソリがくだらないなんて言ってない。』
蠍「俺は永遠なんだぞ?」
そう、俺は永遠の体なんだぞ?永遠を否定する事は、この俺をも否定するようなもの。
『いいえ。サソリはくだらなくないよ。』
蠍「意味がわからねぇな。」
意味がわからない。永遠はくだらないのに、永遠に生きる俺はくだらなくないのか?
『だってサソリは…』
蠍「…」
アリス次の言葉に、核が微かに軋むのを感じた。
『永遠じゃないじゃない。あなたもいつか死を迎えるのよ。』
(永遠じゃない)
確かにそうだ…と、思ったのは傀儡の両親に殺られた直後だった。
【確かに永遠じゃなかった】
でも…君への愛情ってやつは、確かに永遠だったんだ…
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