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わからないんだ(サソリ)


おかしいな


おかしいな


『いっ…』


あれ?


撫でたつもりなのに…


おかしいな


おかしいな


『んぐっ…いぁ…』


あれ?


キスしたつもりなのに…


優しく彼女に触れたはずなのに


俺の目の前の彼女の姿は


頬は赤く腫れ上がり


口端から血がながれてる


蠍「嫌いだ…お前なんか大嫌いだ…」


おかしいな


おかしいな


愛してるっていってるつもりなのに


大嫌いといってしまう


『っ…なら関わらなきゃいいじゃない…』


…なぜだろう…


愛してるのに


大事にしたいのに


蠍「うるせぇ!」


『キャアッ!』


彼女を傷つけてしまうのは…


わからないんだ


自分でもわからない


泥「だ・旦那…もういい加減にしてやれよ…。うん」


振り上げた腕を、デイダラに掴まれた。


蠍「…」


気を確かにもってみれば、目の前に血だらけで横たわる愛しいアリスの姿。


泥「アリス…大丈夫かい?うん」


横たわるアリスを抱き上げ、部屋を出て行くデイダラ。


蠍「…」


部屋に残された俺の掌には、彼女の血。

蠍「…」


なぜなんだ…


こんなにも好きで好きでたまらないのに。この掌に残る血ですら愛おしいのに。なぜ彼女を傷つけてしまうのだろう…


蠍「っ…アリス…」


どうか…


どうか許して下さい…


自分でもわからないんだ…


君が愛おしいのに


傷つけてしまう理由が


わからないんだ…




【わからないんだ】


俺は愛しい女の、愛し方すらわからない…






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