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小説


「ここでバイトしてたんだ。久しぶりじゃん修人。卒業ぶりだよね」

蓮は大きな声で俺の名前を呼び再会に喜んでいる様だ…だけどな俺は嬉しくない。簡単な話、お前が大嫌いだからだ。

「1575円です」

知らん顔をしながら、手を差し出す。
蓮は財布から2000円を出し置くと無視してんのをわからないのか、また話始めた。

「高校を卒業して別の大学に行ったから中々、連絡取れなかったから心配してたんだ」

取れなかったんじゃなくって取らなかったんだけどな。『余計な心配をありがとよ』と思いながらも、釣りを返す。
久しぶりにあった嫌いなヤツの姿を今度はじっと見る。
相変わらず、同じ男から見てもコヤツは格好いい…手足は長くすらっとしていて引き締まった身体をしている癖に、大きく釣り上がった目と高い鼻を持ち合わせモデルの様な甘い顔は第一印象ばっちりだ。
こんなヤツ性格が悪ければ許せたんだけど、おまけに性格もいいんだよな。

大学どう?とか同級生の名前を出し最近会ってるか?等、九官鳥のようになく男に気がついた店長が俺を見ている事に気がついた俺は

「バイト中は私語禁止。店長が見てる。怒られる」

と話せる日本語を片言で返した。蓮はやっと黙り、こそっと俺に耳打ちした

「悪かったな…今度久しぶりに遊ぼアド変わってないよね?連絡するから」

とコンドームを入れた袋を下げて手を振り帰っていった。

「ありがとうございました」

俺は嫌な客を見送る。
その後すぐ、バイトのオバサンが来て引き継ぎをし…やっぱり蓮に話かけられた事で、仕事中に私語なんて、と店長に嫌みを言われ嫌な気持ちで帰宅した。


バイトを辞めていくヤツらの気持ちがだんだんと解る。俺も辞めようかな…店長を殴った後に。




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あきゅろす。
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