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小説



ジャラジャラと金属の擦れる音と声がする事でルイは目を醒ました。
身体を起こして辺りを見るとレオンが手を足を床につけ身体を伏せたり戻したりと運動をし数を数えている。
何をしているのかと、その様子をボーっとルイは見入る。

「…おはよう」

ルイが見ていたのに気がついたレオンが手を止めず話かけてくる。

「お早う…ございます……何をされてるんですか?」
「トレーニング。こんな所へ入れられていると、身体が鈍るかなな」

「トレイニ…?」

聞いた事のない単語、そして運動をするレオンをルイは見ていたがだんだんと、その運動よりレオンそのものを見るようになってきた。

息を荒く吐きながら苦しそうだが、真剣に物事に熱中する意思の強い顔。
身体を動かす度に、服の隙間から見える胸や四肢の彫刻のように作られたしなやかな肉体に汗の流れる様子をルイは今まで会った人間にはない感情をもつ。
心拍数が上がるのを感じた…体温も高くなり頭は白くモヤがかかり息がしにくい。
胸を押さえ初の経験にとまどい考えた…どうして、と。


「ルイ…おい、ルイ。何を考えてるんだ?」

いきなり話かけられ我にかえるとレオンは水瓶から水をすくい浴びていた。

「え…」

自分でも何を考えていたのか忘れてしまいルイは黙り込む。

その時、扉の開く音がし使用人が食事を持ってやってきた。
昨日の出来事を思い出したルイは必死に部屋の隅で丸くなり震える…だが、ルイにチラっと目をやり食事を置くといつものように帰ってゆく。

「今日あたりアイツが帰って来るんだろうな…主人のモノへ手を出したのがバレたら困るんだろうよ」

レオンはそう言うと食べはじめた。
その言葉と同時に昨日、使用人との出来事をレオンに見られた事に嫌悪する。
今まではその行為自体が痛みや言葉に出来ない本能的な拒否で嫌だったのだが…


「悪かったな。今まで酷い事を言ってしまい」

ルイはうなづきもせず聞く。

「こんな状況になっちまって自暴自棄になってた。それが自分の美徳だと…人には事情がある事を考える余地がなかったんだよ。だせぇな…」

何を言っているのか解らないが、強い意思を感じながらも悲しそう表情を見せるレオンにルイは首を振り心配した。

「とりあえず、力をつけて待つんだ…頃合いをな」

そう言い食事をするレオンの横でルイも食事を始めた。




食事を終え二人は話をして過ごした。
レオンはルイに、この牢に入るまで何をしていたか?ロベスとの出会いやされてきた事をゆっくりと思い出させながら聞く…ルイはたどたどしいながらもレオンが懸命に聞いてくる事柄を考えながら話す。


「…ロベスは言う事を聞かないと、痛い事をしたり食事を出さなかったりとしたわけか」

「はい…でもそれは、僕はロベス様のモノだから…好きにしていいし…ご飯を食べさせてあげてるのだからって…教えていただきました」

服をギュッとつかみルイはまた続ける…

「よく思い出してみたんです…ココへ来て始めはこんな事したくないとか…なんで?とか…考えてた気がします…でも、お腹はすくし…叩かれるのは痛いし…」

ルイはだんだんと目が熱くなるのを感じた。

「恐いから…ロベス様に気に入ってもらう事と怒られない事しか思わなくなりました…ロベス様もそれでいいって…何も考えなくていいから言い付けだけ聞きなさいって…」


「精神を追い込んで洗脳したんだな…何も解らない子供に」

レオンが指を組みつぶやくと今度はルイから質問した。

「レオン様は恐くないんですか?痛いのに…どうして?」

今まで不思議だった、あれだけ酷い事をされても戦うのはなぜか?自分だったら怖くて無理だと…


「…言葉で伝えるのは難しいな。ルイ、俺のココが教えてくれて身体と口が動くんだよ」

レオンは自分の頭を人差し指で指つついた。


「俺のココが、違うそれはダメだと言ってるんだ…やり方は色々あるだろうが…言葉って難しいな。ルイのココも本当は感じて思っているハズだよ。ただ、恐い目に合い停止しているだけで…」

そう言うとレオンは手錠で結ばれる片手でくしゃくしゃとルイの髪を触り笑った。
笑いかけられルイも笑う…気持ちの良い風が身体をつつみ込むような感覚を感じた。



「ここから出たいか?」

笑顔から真顔になりレオンはルイに言った。
何度か考えた事はあったのかもしれない…だが掻き消していた外の世界。
逃げたらどうなるのか…出てからの生活…ロベスから脅され考えていなかった事を言われルイは下を向いた。
それが解ったのかレオンは

「また聞かせてくれ」

といい再び身体を動かし始めた。
普段しない、考える事や話をし疲れルイはペタンと床に横になりながら少しづつまた考えた。

――ここから…出る



日が落ち牢の中はいっそう、暗くなった。
今日あたりロベスが帰宅するであろうとルイは緊張しふるえる身体をさする。
そして、扉は開いた。
レオンも扉から刺す光を見据える。



「ただいま。二人で仲良く待ってた?」

ロベスは鉄格子の前で二人を眺める。

「聞いたよ。ちゃんと餌を食べる気になったみたいだね」

食事を摂るようになったレオンにロベスは含み笑いをしたがレオンは何も言わず目をそらさず見るだけだった。前までならすぐ荒い言葉を返していたのだが…

「何があったのかは知らないけど…まだお前で遊びたかったからね。死んでもらったら困るんだ……ルイ、お土産だよ」


そう言うとロベスは牢の中へ入り、手に持った袋からルイの前にバラバラとモノを落とした。
突起がついた細長い棒や球が連なった物、ガラスに入れられた液体。
ルイはそれを不思議そうに見るが、鉄で出来た男性器をかたどった物を見て何へ使われるのか解ったルイは「やっ…」と声を出し尻込みする。

「気に入ってもらえたみたいだね」

ルイの顎を持ち不安そうな顔を舐めるように眺めロベスは笑った。

「ご褒美は後だよルイ。まずは…」

ルイから離れロベスはレオンを蹴り床へと倒した。
不意に与えられた衝撃にレオンは簡単に俯せに倒れ込み顔だけロベスへと向かせた。

「抜いてないからさ、溜まってるんだよ。このままだとルイは壊してしまいそうだしね…」

レオンのボロボロの服を剥ぎ、半裸にし牢の柵へと枷をくくる。
そして、ロベスはレオンの身体に指をつたわす。そんな風にされても抵抗もせずされるがままにされているレオン。
前までなら抵抗し無駄と解っていただろうが暴言を吐き暴れ相手を挑発していた。
それを不思議に思ったロベスは

「いつもの威勢がないね…諦めたの?」

と問いかけた。

「どんな目に合わされたって、俺は屈服していない。勝手にしろよ」

抵抗こそしないが、顔は前のまま意思の強さを出していた。


「何を企んでるのかは知らないが…」

ロベスは牢の中へ散らばる玩具の中から長い突起のついた親指位太さあるシリコン製の棒にとろとろとねばる液体を垂らした。それをレオンの尻の穴へあてがいぐいぐいと押し込む。

「ぐっ…ふ」

「お前が何を考えてようが関係ないよ。要望にこたえて好きに遊ぶだけだから」

そう言いロベスは穴を棒でもて遊びだした。突起を穴の中を抜いたり刺したりし、円をかくように壁をこする。
レオンは声を出すまいと歯を食いしばりながらも時折、ぴくぴくと腰を浮かす。

「ここがお前の、気持ちの良い所みたいだね」

ロベスは必要に一点を擦り始めた。

「……ッ。はッ」


「あれ?お前のペニスもこんなに大きくなってるよ…いやらしい奴」

レオンのペニスは高くそそり立ち、先からはダラダラと白い液体を垂らしていた。自分の意思とは関係なく、身体の底が熱くなり反応する。
喜んだロベスはそれを乱暴に揉みだした。敏感な所を爪を立て押し潰すかのように扱う。
痛みにレオンは悲痛な声をあげるものの眼光の色は失っておらず、必死に堪えている様子が解った。
その顔を楽しんだロベスはレオンの拘束していたモノを外し、両手を抱え膝をつかせルイの方へ向かせた。

「ほら見てみろよルイ…こいつ、ケツの穴でこんなになってるよ」

ロベスに言われ、隅で二人を見ていたルイは股間へと目をやった…今まで何度もロベスのそれを見てきたルイだったが、レオンのそそり立つものを見た時、何故か少しの嫌悪感と恥ずかしさを感じ手で顔を隠す。
その顔に満足したロベスは、レオンを尻を牢に向け、立たせた状態で枷をくくりつけた。
そして、いきなりペニスを挿入し小刻みに振動させていった。

「うああっ…があッ」

ピストンする度に中の液体が漏れ音をたて、レオンのペニスはビタビタと揺れた。
だんだんと動きは早くなってゆき、肌が叩きつけられる音が卑猥に響いた。
ロベスは必要にレオンにいやらしい言葉を浴びせ煽ったが声を漏らすだけだった。
レオンがペニスから吐き出したのと同時にロベスは絶頂を迎え、レオンの中に精液を押し込み身体を離した。
尻の穴からは白い液体がどろっとながれ、足を伝い床へ落ちる。穴はひくひくと痙攣していた。

「気持ち良かった?」

耳元で煽る言葉を囁くが顔色も変えない事に腹を立てたロベスはレオンを蹴りつけ、そして拳を振り始めた。
レオンはサンドバックのように揺れ苦痛の表情を見せるがロベスと目が合うと睨みつける。
だが、だんだんと脱力してゆるレオンを見たルイは震える身体を立たせた。

――止めてもらわなきゃ…レオン様が。


ロベスに物申し止めたらどうなるのかなんて考えられず、とっさに立ち上ったルイだったがレオンと目があった……
レオンは首を振り「来るな」と合図した。
するどい視線にペタンとまた座り涙が溢れ出してきた。
おもしろいのかロベスはレオンをまた犯しそして暴行を加える事をくり返した…




「疲れた。ルイ、残念だけど今日はもう部屋に帰るとするよ。後で餌を運ばせるから」

目をつむり軽いショック状態をおこしているレオンを床に寝かせた後、階段を上り帰った。

牢が薄暗くなった所で居ても立ってもいられなくなりルイはレオンの元へ擦り寄る。

「レオン様?レオン様…うっ」

涙が止まらく流れ啜り泣くルイ。

「…ッ。泣くなルイ、泣く事はないだろ。俺はアイツに負けてない…にしても痛いな」

目を開けたレオンはルイの涙を拭き取った。

しばらくし、使用人は食事を運んできた。
レオンはそれを寝たまま口へ運ぼうとしたが、身体が動かず下へ落とす…ルイは手を差し延べ手伝い食べさせてやる。何も言わずレオンはパクパクと口を開け含んだ。
ルイは水を運んでやったり、服を着せたりと世話をする。

「少し寝るよ…」

レオンは力なくつぶやく。真っ赤に腫れた目を擦りながらルイはうなづき、自分の布団をかけてやり一緒に中へ潜った。
すぐレオンの寝息が聞こえた。


何度も目をさましルイはレオンが呼吸しているか確認した。
凛々しいながらも無防備な寝顔を食い入るように見ながら…
寒い牢の中だが、二人で寄り添うと温かい。

目をつむりまたその温かさにルイは安心した。



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