短品
顔合わせ
※マンガ版マイソロ2のユーリ加入時参照。
なのでディセンダーのロアが出てきます。
「ケーキ泥棒がいるって本当かよロア」
「本当だよ」
「なんか、素直に出てきたみたいだね」
「何だっていいわよ、泥棒捕まったんでしょ?」
廊下を食堂に向かう仲間達。
上からカイオス、ロア、ルカ、イリアが言葉を発する。
ルビアやエターニア組もぞろぞろ着いてきている。
「泥棒が皆を待ってるんだよ」
そのロアの発言に仲間達の頭に?が浮かび上がった。
「なんで待ってるの?普通逃げない?」
ルビアの疑問と同じ事をは皆思ったようだ、皆頷いている。
「でもいいじゃないか、素直に捕まる気があるんだろ、さっさと捕まえて追い出してくれ」
キールは"忙しいのに"とぶつぶつつぶやきながら言った。
「まぁ、行ってからのお楽しみだよ」
そうロアが言った瞬間。
「いい匂いがする……」
「リッド?どうしたの?」
突然立ち止まったリッドを不思議に思い、ファラが振り返る、と今度は突然リッドが走り出した。
「え、リッド!?どうしたのよ!!」
そうファラが叫ぶと、リッドは「こんなに美味そうな食いもんの匂い初めてだ!!」と言いながら食堂の方に走って行った。
「確か、今の時間パニールは本を読む時間だから料理なんて作ってないはずなんだけど……」
ファラはそう言ってリッドを追いかけた。
「まったく、あいつはいつもいつも単独行動ばかりして……」
キールはため息をついた。
ロアはまぁまぁと言って皆を食堂まで案内した。
「お前ら遅ぇぞ!!」
「あ、皆!!ほら早く座って座って!!」
食堂には沢山のスイーツが並べられていた。
リッドは勿論だが既に一人で食べ始めている。
ファラは皆のお皿とカップを準備してくれていた。
「うわっ、うまそ〜♪」
「何なに!?これ食べていいわけ!?いっただきま〜す♪」
カイオス、イリアがすぐに食いついてきて席に座りがっつき始める。
それを見ていた仲間達も次々にスイーツに手を出し始める。
「わぁ、これおいしい!!」
「うまい!!こんなに美味いの初めて食った!!」
「本当、おいしい!!これパニールが作ったの!?」
ルカ、カイオス、ルビアと美味しそうに食べ進める。
「あらあら、私じゃありませんよ」
パニールが奥から出来立てのケーキを持ってやって来た。
「じゃあ誰が作ったわけ?」
イチゴを口に納めながらイリアが言った。
「あ、ちょっと待って今クリーム飾ってるのよ」
そう言いながら今度はカノンノがキッチンの奥から顔だけ見せた。
「今呼ぶから!!」
カノンノはそう言って首を引っ込めて"飾り出来たぁ?"と言うのが聞こえた。
少ししてからカノンノともう一人、黒い人物が出てきた。
「ほらほら、皆に自己紹介しよ?」
「ちょっ、引っ張るなって……お、沢山集まったな」
そう言って出て来たのは黒髪長髪の人だった。
手には出来立てのパフェがあった。
「こう言うのもなんだが、噂のケーキ泥棒のユーリ・ローウェルだ」
そう言ってユーリは席に座ったカノンノの前にパフェを置いた。
「ありがと、ユーリ」
「手伝ってくれた礼だ、サンキュ」
そう言ってユーリは爽やかな笑顔を見せた。
「ちょっ!!」
「ん?」
誰かが声を上げたと同時に皆が声を上げた。
「「「ケーキ泥棒って女!!??」」」
「はぁ…またか……」
全員声を揃えて叫んだ。
ユーリはため息をついて先程カノンノに言った言葉を、今度は皆の前で言うために口を開けた。
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