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私立誠青学園高等部
同居人@


これは嘘か誠か 夢か現か




漸が朝起きると


「おはよう」


と声をかけてきたのは


蒼穹だった。



「!? おまっ…なんでここにいんだよ こんな朝早くに!?」


「朝早くって…もう11時だよ」


少し拍子抜けな様子で蒼穹はため息をつく。


「今日から同室になったんだ。よろしく」


少しほほえみながら話す蒼穹を、漸はまだベッドに横たわったまま聞いていた。




相変わらず名前負けしない蒼い髪。白い肌。




それがこれから自分と同じ空間で過ごす。




触れたい






「ちょっ……どうしたの?」



蒼穹の焦る声が聞こえてはっと我に帰った。


どうやら無意識に腕をつかんでしまっていたらしい。


「あ…ああ、わり」


おどおどしく手を放す。





なんなんだ……さっきから


自分らしくない……




蒼穹も戸惑ったようだが、やがて普段のように

「じゃあこれから部活があるから、もう行くよ」


と言うと部活の荷物をまとめて出ていった。







…さっき



触れたい と思った




あのまま

我に帰っていなかったら



きっと 襲っていた




まだ知り合って間もない奴に何しようとしてんだ……俺





バカみてぇ……





漸はベッドに横たわったまま、蒼穹の腕をつかんだ右手をみつめていた。






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あきゅろす。
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