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私立誠青学園高等部
漸と蒼穹A

放課後、漸は1人で街をふらついていた。


千秋は陸上部だし、恭也は部活こそ入っていないものの、持ち前の運動神経で様々な部活の助っ人をしていた。



漸も恭也程ではないが、助っ人の依頼は少なからず来るほうだ。

しかし今日はこれといって依頼が無かったので、イライラをはらすために街へ行くことにしたのだ。


一人は嫌いではない。
気分転換にはよく一人でぶらっと外へ出かける。



しばらく歩いていれば気分も晴れるだろう。



しかし、漸の顔は終始眉間に影を落とし、とても恐ろしいものだった。



もともと顔立ちは悪くはない。強面が際立つだけでむしろ良い方といえる。

恭也と並んで普通に街を歩いていれば周辺の女子がソワソワしだす程だ。



しかし今日は、イライラから来る恐ろしい形相がそれを邪魔していた。


すれ違う人はみな目をそらす。



そんな回りの反応も気にせず、漸はひたすら街を練り歩いていた。


(ったく胸クソ悪ィ……)




ふと回りを見回していると、道路の向こう側の建物と建物の間らへんで何かもめているのが目に入った。



三人いるようだ。


グレイの学ランを着た二人は不良校として有名な常南高校らしい。


もう一人は誠青学園のようで、






青みがかかった艶やかな髪。






「!!!」



漸は目を見開く。



蒼穹だ。




やがて彼は、常南の二人に建物の陰に連れ込まれていった。



「あいつ…っ!!」



急いで向かおうとするものの、信号は赤になり沢山の車が急ぐように左右へ行き交う。


しかもここの信号は無駄に長い。


「クソが…!!」



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