[携帯モード] [URL送信]

槻木くんは猫離れができない



その時は槻木君が誰の絵を描いているのか特に気にかけなかった。
が、彼に興味を持ってしまった今、槻木清羅の"好きな人"がとてつもなく気になる。


「おい、秋臣。俺の顔どうなった」

友人の水原 竜(みずはら りゅう)が、しばらくボーっとしていた僕に気が付いたのか、こちらの席まで来た。

「うん、もう完成するよ。そっちは?」

僕と竜は描くものに迷っていたので、相談してお互いの顔を描くことにしたのだった。

ふと、閃いた。
竜の絵を見に行くついでに、竜と席の近い槻木君の絵をこっそり見てみよう。

我ながらいやらしい。

さっそく席を立ち竜の席に向かう。

歩いていき、通りがかりに槻木清羅の絵をさりげなく見る。

僕は足を止めた。


槻木君が描いていたのは、一匹の猫だった。




<<>>
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!