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槻木くんは猫離れができない
四ノ三


風呂から上がって髪の毛を乾かしながら僕は考えていた。

数字屋は何者なのだろう。
あの店といい、あの人といい、謎すぎる。
そしてあの人と知り合いの雨宮さんも。
あの二人の不思議な能力。
浮世離れしている。

でも、

「なんか、心地良いんだよなぁ…」

確かに、不思議な出来事に驚き、少し怖かった。
だが、二人自身の事は、実のところ好きになっていたのだった。
またあの店に行きたい、そして雨宮さんに今日の事を話したい。

「ああでも、本来の目的を忘れてはいけない!」

僕はドライヤーの熱風を顔面に浴びせた。



髪の毛を乾かし終わると、僕は部屋に戻った。

机の上を見ると、キャラメルが僅かに減っていた。

「おお。本当に食べた」

そう言うと、2はぴゅんぴゅん部屋を飛び回った。

「キャラメル、好きなのか」

時計を見ると、9時45分だった。
いつもならテレビを見たり、インターネットで猫の写真を閲覧する。
だけど今日は疲れた。

僕はベッドにもぐりこむ。

2は本棚や、机の上に置いてある地球儀の周りを興味深げに飛び回っている。

「お前は眠ったりしないのか?」

僕は2に聞いてみる。

すると2はふよふよとこちらにやってきた。
そして、ベッドのすぐ横の窓際に置いてある観葉植物のオリヅルランを見つけると、その葉っぱの上にとまった。

「そこで眠るの?」

2は葉っぱの上でぴょんぴょん飛び跳ねる。

部屋の電気を消し、僕は目を閉じた。

明日は金曜日だ。
1、2時限目は体育で、3時限目は数学…

僕はベッドからガバッと起き上った。

「今日、数学の宿題出されたんだった」

小テストで赤点を採ると、宿題としてプリントを出されるのだ。
すっかり忘れていた。


僕は溜息をついて、部屋の電気を点けた。



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あきゅろす。
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