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槻木くんは猫離れができない
二ノ五

戦略か…

とりあえず槻木君の関心を引かなくては始まらない。

槻木君は趣味とかあるのだろうか。

部活にも入ってないし、読書をしているところも見たことがない。

そういえば、彼はいつも窓の外を眺めているな。

あれこれ考えていると、近くにいる女子の話し声が聴こえてきた。

「さっき槻木君が解いてたのって大学のテキストに載ってる問題でしょ?」

「槻木君って先生より数学できるって噂だよ。あんな問題、この学校じゃ彼以外誰も解けないだろうね」

閃いた。

"槻木君以外誰も解けない問題"

それを僕が解いたら槻木君の関心をちょっとは引けるんじゃないだろうか。

そして僕の存在を彼に認知させた後、交渉に移れば…

モフモフは僕の手の中に…!

にやにやした僕を見て雨宮さんが言った。

「それって無謀じゃないかしら」

「えっ、あ!また心を…」

「今のはただの勘」

う、うん。確かに無謀かもしれない。

数学は昔から苦手だった。

でも、どんなに難関な数学の問題にも必ず答えはある。
がんばれば僕だって…


「はいはい静かに。小テスト返すぞー」

蓮田先生がやっと採点を終え、小テストを返し始めた。

僕は帰ってきた答案用紙をみて絶望した。

雨宮さんが、あらあらと小さく呟いた。




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